変速機・クラッチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/15 08:17 UTC 版)
「国鉄キハ04形気動車」の記事における「変速機・クラッチ」の解説
変速機はキハニ5000形に引き続き、変速3段+直結1段(4速MT)の鉄道省独自設計品であるD211が採用されている。 クラッチについても国産品が採用されたものの、その実は「ロング式」と称する、私鉄向け気動車で実績のあるアメリカ・ロング社製34A形円錐クラッチのデッドコピー品である。 1936年(昭和11年)から1940年(昭和15年)にかけ、梅小路庫のキハ41038・41105の2両を使用して液体変速機の試験が行われている。これは神戸製鋼がスウェーデンのユングストローム (Ljungstrom) 社からリスホルム・スミス式のDFR1.15液体変速機のライセンスを得て製造した「神鋼式流体自動変速機」ことDF1と、大阪鉄道局の小宮山勉技手が考案した、重連総括制御用の回路を搭載していた。この回路は各車の搭載機関の遠隔制御を電磁空気リンクで行うもので、1940年(昭和15年)の試験時にはほぼ完成の域に達しており、関西本線、和歌山線、片町線、姫新線などで試運転を実施しているが、戦前の時点では量産化には至らなかった。1941年(昭和16年)にはディーゼル化をする計画で神戸製鋼所に機関を発注したが実現しなかった。なお、この際の液体変速機が、戦後TC-2として実用化されたものの原形である。小宮山技手は戦後、液体式気動車の量産が軌道に乗った後で、このシステム考案の功績により当時の国鉄工作局長より感謝状を受けている。
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