執行命令
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 16:55 UTC 版)
現在日本において、死刑執行を最終判断するのは法務大臣となっている。刑事訴訟法475条1項は「死刑の執行は、法務大臣の命令による。」と定める。この命令は、判決確定の日から6ヶ月以内にしなければならないが(刑事訴訟法475条1項)、上訴権回復、再審の請求、非常上告、恩赦の出願・申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であった者に対する判決が確定するまでの期間は算入されないこととなっている(刑事訴訟法475条2項但書)。 なお、『時事通信』(2012年8月19日)によると、「死刑執行命令書」に大臣の署名はなく、印字された大臣の名前の横に公印が押されているだけで、関連文書として法務省幹部(大臣以下計13人)の決裁印が押された下記の書類2様がある。 「死刑事件審査結果(執行相当)」:大臣、副大臣の自筆署名のほか、事務次官、刑事局長、刑事局総務課長ら5人が押印。 「死刑執行について」(起案書:刑事局総務課):拘置所を管轄する矯正局、保護局の幹部3人ずつの押印。 2013年1月11日、朝日新聞が法務省に対し、過去5年間(2007年12月〜2012年9月に自民党、民主党の計6人の法務大臣が決裁して執行された34人の死刑囚に執行された死刑について情報公開請求した結果、「死刑執行命令書」など10種類の文書計1137枚が開示された。 これらの開示文書によると、法務大臣や法務省幹部ら合計13人が署名・押印して決裁し、大臣の命令から2 - 4日後に執行されていたことが判明した。また、死刑判決の確定から1 - 6ヶ月程度で、検察庁が法務大臣あてに死刑執行を求める「死刑執行上申書」を提出していた。執行命令は確定から6ヶ月以内と刑事訴訟法が定めているためと見られる。 なお、決裁文書の一部に記載ミスが存在したことが判明しており、2009年(平成21年)1月に4人が執行された際、当時の法務大臣森英介が署名した「死刑事件審査結果」の決裁日は、「平成20年(2008年)1月26日」と年度が誤って記載されていた。署名・押印した法務省幹部や法務大臣ら7人は年度の記載ミスに気付かず、そのまま決裁されて死刑が執行された。他にも、2008年2月の執行分では矯正局長らが押印した文書の決裁日の記載漏れが存在した。これに対し、法務省刑事局は「単純ミスで、文書の効力は変わらないと考えているが、誤りがあったことは申し訳ない」と述べている。
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