地球生きもの委員会

同委員会には関係省庁や自治体、自然保護団体、学識経験者などが参加。産業界からは日本経団連、経済同友会、日本商工会議所の3団体が参加し、経団連の御手洗冨士夫会長が委員長に就任しました。1月25日の初会合で御手洗委員長は「生物多様性は持続可能な経済社会の重要な基盤」と指摘。企業や自治体、国民などあらゆる主体が生物多様性の保全に向けて連携し行動する必要があると呼びかけました。
内閣府が2009年6月に実施した世論調査によると、生物多様性の言葉の意味を知っていると答えた人はわずか約13%。約62%の人は「言葉を聞いたこともない」と答えており、COP10開催国として国民意識の向上が課題となっています。今後、同委員会は植樹祭などの国際生物多様性年記念事業を企画・実施し、生物多様性保全の大切さを広く訴えていきます。初会合では国民意識の向上策として、各地の博物館が所有する生物標本をインターネットで公開する案や、小・中学生段階での教育を強化する案も出ました。
ビジネス界ではすでに生物多様性の認知度を高めるための取り組みが進んでいます。日本経団連は1992年に自然保護基金・協議会を設立しました。基金は非政府組織(NGO)や民間非営利団体(NPO)による国内外の自然保護活動を支援することを目的とし、これまでの17年間に累計861件、約26億円の支援を実行しました。また協議会ではNGOとの交流やシンポジウムなどの開催を通じて生物多様性の重要性を訴えており、ともに生物多様性の国民レベルでの認知度向上に貢献しています。
そのほかドイツの環境省が2008年のCOP9で設立を提唱し、現在日本企業10社を含む約40社が参加する連携組織「ビジネスと生物多様性(B&B)イニシアティブ」は世界の生物多様性の損失状況や企業の保全活動の状況などを学べるタッチパネル式の装置を製作。ドイツとCOP10開催国の日本にそれぞれ1台を導入し、企業の社員教育や環境関連の展示会で活用しています。
国内の約40社で構成する「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」は会員企業の研究会としてコミュニケーション部会を設置し、生物多様性の意識を高めるための啓発ツールづくりに取り組んでいます。
(掲載日:2010/02/26)
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