地下にある構造物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 08:38 UTC 版)
地下が利用されてきた理由や特徴には以下のようなものがある。 ひとつは、居住空間としてである。地下は季節、昼夜を問わず室温が一定に保たれやすく、風雨をしのげるため、原始人類人類は洞窟に住むことが多かったとみられる。人類が家屋を作る技術を得た後も、屋根や壁からの地下水漏出や湿気が籠る心配が少ない砂漠・乾燥地帯では、内装を整えた洞窟や崖などに掘った横穴を住居としている例がある。中国・黄土高原の窰洞(ヤオトン)などである。また屋根を支える構造物として地面を利用することができる。 他には、外敵からの攻撃を防ぐ手段として有用なことである。その例として、古くはキリスト教徒が隠れ住んだアナトリア半島のカッパドキアを挙げることができる。また、近代以降も爆撃に耐えるために、軍事関連施設を地下に構築することがある。最近では、偵察機・偵察衛星に発見されにくくするために地下を利用することがある。一般家庭のレベルにおいても、竜巻などの自然災害や核攻撃などの兵器から身を守るための保護室(シェルター)として建造されることがままある。 また、地上の開発の制限された地域において建築物を建設する必要に応えられる点である。具体的には、大都市の限られた面積で空間を確保する、交通を立体交差させ容量を増大させる、景観保護・防音効果などを目的として、地下が積極的に利用される。いずれの構造物も、地上で建てるより費用がかなり高くなる。 代表的な例 住居など(竪穴式住居、地下室)。 地下街。 井戸。鉱山、坑道。 敵からの攻撃の回避:カッパドキア。現代の軍事施設(防空壕、マジノ線、核シェルター、ミサイルサイロ 等々)。 交通施設 : トンネル、地下道・地下鉄。駐車場・駐輪場。 水路、電線路など何かを「流す」ためのもの : 上水道・下水道・共同溝(送・配電線路・通信線路・都市ガス導管)。また、それらと関連する地下水力発電・変電所、地域熱供給施設など。地下河川や暗渠。 廃棄物処理、地層処分に使う地下放射性廃棄物処理場など。 研究施設 : (一部の大型)加速器やカミオカンデなど。 最も深い穴 人類が掘った最も深い穴は、ロシアムルマンスク州にあるコラ半島で行った学術調査目的のボーリングによるコラ半島超深度掘削坑であり、深さ12,262m。人が入れる穴では、南アフリカにある金鉱山のタウトナ鉱山で深さ3,777m以上である。
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