国際天文学連合による定義
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「惑星の定義」の記事における「国際天文学連合による定義」の解説
詳細は「国際天文学連合による惑星の定義」を参照 エリスの発見により、国際天文学連合は惑星という用語を定義せざるを得なくなった。2005年10月、2003年のセドナ発見から活動を続けてきた国際天文学連合の19人の会員からなるグループが、投票によって次の3つに候補を絞った。その定義は、 惑星とは、太陽の周囲を公転し、直径2000km以上の天体である(11票) 惑星とは、太陽の周囲を公転し、自身の重力で安定な形状を保つ天体である(8票) 惑星とは、太陽の周囲を公転し、独占的に軌道を占める天体である(6票) 結局、完全な合意には至らなかったため、委員会はこれら3つの定義を2006年8月にプラハで開催される国際天文学連合の総会での投票に付すことにし、8月24日、国際天文学連合はこれら3つのうちの2つの要素を組み合わせた最終的なドラフト案を作成した。また、惑星と岩(太陽系小天体と名付けられた)の中間に、準惑星(dwarf planet)という新しい分類を作り、ケレス、エリスとともに冥王星をここに分類した。この案は、424人の天文学者による投票により承認された。 「 国際天文学連合は、惑星と、衛星を除く太陽系のその他の天体について、次の3つのカテゴリーに分類することを決議した。(1)「惑星」1とは、(a)太陽の周りを公転し、(b)自身の重力が剛体力に打ち勝って静水圧平衡の形を保つのに十分な質量を持ち、(c)軌道上から他の天体を排除している、天体である。(2)「準惑星」とは、(a)太陽の周りを公転し、(b)自身の重力が剛体力に打ち勝って静水圧平衡の形を保つのに十分な質量を持ち2、(c)軌道上から他の天体を排除してはおらず、(d)衛星ではない、天体である。(3)衛星を除き、太陽の周りを公転するその他全ての天体3を、まとめて「太陽系小天体」と呼ぶ。 脚注:18つの惑星とは、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星を指す。2ボーダーライン上の天体が「準惑星」とその他の両方のカテゴリーに分類されることは許容される。3この中には、小惑星のほとんど、太陽系外縁天体のほとんど、彗星、その他の小天体が含まれる。 国際天文学連合はさらに次の決議も行っている:冥王星は、上記の定義に従えば「準惑星」に分類され、太陽系外縁天体に与えられた新しいカテゴリーの典型例であると認識される。 」 また、国際天文学連合は「惑星」と「準惑星」は2つの異なった分類であるということも決議し、その名前に反して準惑星は惑星とは見なされないということも明言している。 2006年9月13日、国際天文学連合はエリスとその衛星ディスノミア、冥王星を小惑星カタログに掲載し、小惑星番号を割り当て、(134340) Pluto、(136199) Eris、(136199) Eris I Dysnomiaという正式な名称を与えた。2003 EL61、2005 FY9、セドナやクワオアーのような他の準惑星候補は、その位置付けについて公式な決定が出るまで、一時的に据え置かれた。 2008年6月11日、国際天文学連合の執行委員会は、準惑星のカテゴリーの中に、冥王星を典型例とする新しいサブカテゴリーを作るということを発表した。この分類は冥王星型天体(plutoid)と名付けられ、冥王星、エリスとその他の海王星以遠の準惑星が分類されたが、ケレスはここには分類されなかった。国際天文学連合は、 絶対等級がH = +1よりも明るい太陽系外縁天体のみがこの分類に含まれるとした。今日では、さらに2つの天体2003 EL61と2005 FY9が明るさの条件を満たしているが、準惑星候補のセドナ、オルクス、クワオアー等は満たしていない。2008年7月11日、惑星命名ワーキンググループはFY9を冥王星型天体の分類に含め、マケマケと命名した。2008年9月17日にはEL61もこの分類に含め、ハウメアと命名した。
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国際天文学連合による定義
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詳細は「国際天文学連合による惑星の定義」を参照 採択された決議案に示される定義は下記の通りである。 dwarf planet(ドワーフ・プラネット) (準惑星)とは以下の条件をすべて満たす天体である。 太陽をめぐる軌道を周回している。 固体をその形に維持するための力(分子間力)によるのではなくそれ自身をまとめあげている重力(自己重力)によって静水圧平衡(ほぼ球形)を保つに足る質量がある。 その軌道近くから他の天体が排除されていない(他の天体を取り込んだりはじき飛ばしたりしていない)。 それ自体が衛星ではない(ただし、以下に明示したように「衛星」の定義はなされていない)。 なお、学術用語について、学会などが定義を明言することは極めて異例である。通常は、関連研究者内部で提唱されたものが淘汰されて決まるものである。
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