サブ・カテゴリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/15 09:58 UTC 版)
また、上記の書物はサブ・カテゴリーによって更に分類されている。 エメット(אמ"ת):『詩篇』、『箴言』、『ヨブ記』。この呼称はそれぞれの書物の頭文字、איוב(『ヨブ記』)、משלי(『箴言』)、תהלים(『詩篇』)から取られた造語で、普通名詞のאֱמֶת(エメット:真実)になぞらえられている。これらの書物は詩文学に相当するのだが、この三文献でのみ用いられる独自のタアミーム(抑揚記号)や詩文学特有の段落の配置といった点で、マソラ学者たちの解釈に大きく依存している。 ハメシュ・ハ=メギロット(五つの巻物):『雅歌』、『ルツ記』、『哀歌』、『コヘレトの言葉』、『エステル記』。このカテゴリーは、アシュケナジーの社会においては典礼の習慣や写本の伝承などで伝統的に用いられており、これらの書物に関するミドラーシュの編成に拠っている。ただし、マソラ写本やセファルディムとミズラヒムの伝統では、このカテゴリーは存在しない。 『ダニエル書』、『エズラ/ネヘミヤ記』、および『歴代誌』は、諸書の範疇に組み入れられてはいるものの、上記あるいは固有のサブ・カテゴリーには分類されていない。タルムードによれば、これらの書物は他の聖書文献に比べて成立年代が遅かったとされており、実際これらの書物では聖書時代史のより後期の出来事が記録されている。『エズラ/ネヘミヤ記』は明らかに『歴代誌』の続編と見なすことができる。また、『ダニエル書』と『エズラ/ネヘミヤ記』では、アラム語による執筆箇所がかなりの部分を占めている。
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