問題点および視聴者の反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 15:13 UTC 版)
「奇跡の詩人」の記事における「問題点および視聴者の反応」の解説
番組内では、日木が指したい文字を母親が読み取り、それに応じた手の動きを感知して文字盤の上の文字を高速で読み取り、それを口述できるとされた。しかし、この番組を視聴した視聴者の間で、母親が息子の手を持って文字盤を指している場面で、文字を指す日木の手と、文字盤を持つ母親の手が同時に動いている、また、息子があくびをしたり、よそ見や居眠りをしたりしている間も正確に文字盤を指している、「混沌の中」などの語彙や淀みのない丁寧体の言葉遣いといった文章の内容が11歳の子供のものとは思えない、など不自然な場面が多々見られるという指摘がなされ、「母親が少年の手を動かして文字盤を指させているのではないか」「ドーマン法は本当に効くのか」という疑問が沸き起こった。こうした経緯から、インターネットを中心にその内容の信憑性をめぐって議論になった。この疑問を巡っては『異議あり! 「奇跡の詩人」』という批判本も出版された。批判派は、これが事実であるかどうか確認するために「母親が目隠しして、日木に何かを書いた紙を見せ、その後に今見たものは何かを尋ねる」などの第三者による厳密な検証をすべきだと主張している。しかし、父・貴はこうした検証を拒否しており、事実であるか疑わしい。 また両親が、まだ言葉の理解できない乳児である妹に対し、兄に「優しく触ること」などといった決まりごとを設け、それを守らなかったためにその妹を、部屋から追い出す様子も放送された。この場面に対しても、視聴者の間では「児童虐待ではないか」と問題視された。 番組に対して少なくない批判を受けたNHKは、特別に会見番組を放送するなどして「信憑性を否定する事実は無い」と広報し、番組内容に関する謝罪等は一切行わなかったが、番組制作当事者以外の専門家による意見や科学的な検証などは示さなかった。なおNHKは、この番組について、『NHKスペシャル』の番組で通常行われる再放送や海外での放送を取りやめた。日本小児科学会倫理委員会は、番組の中で紹介されているいくつかの治療方法に関して、医学的および科学的な見解から疑問を感じるとし、NHKに公開質問状を送ったが、やはり「番組作成者が間違いないと感じているので、間違いとは考えにくい」という弁明を受けた。 また、放送から数日後、講談社から日木著とされる『ひとが否定されないルール』が「NHKスペシャル大反響」の帯付きで発売され、NHKと講談社とのタイアップ疑惑も指摘された(これについてNHKは否定している)。
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