和金型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/29 01:03 UTC 版)
和金 コメット 朱文錦 キンギョの中では、もっともフナに近い形態で、平たく細長い流線型の体を持ち、泳ぐのも速い。丈夫で飼いやすい品種が多く、長生きすることが多い。ただ、原種に近いため、和金などは(金魚としては)気性が荒く、産卵期のメスへの追尾行動でメスを重傷化させたり、おとなしい他の品種の金魚や、大きさの違う個体を同じ水槽で飼うと、弱い個体の方へ大きなストレスやダメージを与えることもある。 和金(ワキン) 中国から室町時代に持ち込まれたもので、現在のキンギョの品種は、ほぼすべて和金から派生している。もっとも手に入りやすく、丈夫で飼いやすい品種。大きく成長する個体もしばしばみられる。10年以上にわたって長生きすることも多く、45年生きた記録もあるという。体長30センチを超えるまでに成長することもある。そういった場合は室内のガラス水槽での飼育は、一般的に困難であり、屋外の池などが推奨される。尾はフナ尾、三つ尾、四つ尾とさまざまである。和金でフナ尾のものは、その祖先である野生の鮒の赤い突然変異体である緋鮒(ヒブナ)と外見上の見分けはつかない。 朱文錦(シュブンキン) 明治期にフナ尾の和金と三色出目金との交配で作られた品種。色はキャリコ模様で、尾は吹き流し尾。手に入りやすく、丈夫で飼いやすい。和金同様大きくなるものが多く、成長するにつれ頭部に肉瘤が発達する個体もある。またこの品種をもとにイギリスで生み出されたハート型に見える尾を持つブリストルシュブンキン(Bristol shubunkin)という品種のみを、熱心に飼育する愛好会も数多く存在する。 地金(ジキン) 和金の突然変異により、尾がX状に開いた品種。この品種特有の尾は孔雀尾と呼ばれる。色は六鱗(ろくりん)と呼ばれ、口と各ヒレの計6か所だけを赤く、他を白くするものである。この体色を引き出すために、人為的にうろこを剥いだり薬品を塗布するなどの方法で調色が行われる。体質は弱く、飼育は非常に難しい。愛知県の天然記念物で、三河地方ではずんぐりとした個体、尾張地方では笹葉のような細長い個体が多い。 庄内金魚(ショウナイキンギョ) 大正期に山形県の庄内地方でフナ尾の和金と和蘭獅子頭を交配して生み出された品種。寒冷な気候に非常に強く、丈夫な品種。色は赤か更紗模様。成長すると各ヒレが伸長して垂れ、振袖金魚とも呼ばれる。 コメット 日本から輸出された琉金が、アメリカにおいてアメリカフナと交雑して作られた品種とされることもあるが、琉金を選別せず放置飼育により和金型に戻ったと考えられる品種。手に入りやすく、丈夫で飼いやすい。色は更紗模様で、尾は張りのある吹き流し尾。長い尾をなびかせて素早く泳ぐ姿が彗星を連想させるためにこの名が付いた。和金同様大きくなるものが多く、成長するにつれ頭部に肉瘤が発達する個体もある。 オーロラ 朱文錦と江戸地金の交配により近年生み出された品種。見た目は朱文錦に近いが、尾は四つ尾であり、成長するに従い、各ヒレは更に大きく長伸する。まだ流通量が少なく、とても珍しい品種。 和唐内(ワトウナイ) 和金と琉金の交雑品種と考えられている。体型は和金だが尾ビレは琉金の形をしており、和(日本)にも唐(中国)にもない珍しい金魚だからこの名前がついたといわれている。ほとんど生産されていない。
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