同大会の評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 17:14 UTC 版)
この大会に関しては、お笑いファンのみならず、お笑い評論家の間でも低く評価されている。お笑い評論家のラリー遠田は著書「M1戦国時代」にて、ルールや参加資格が不鮮明であり、ソフトバンクユーザー以外が興味を持てない構造となっていることが問題であると指摘している。 また、問題点として、 M1の優勝賞金1000万に対して優勝賞金1億円というのが、あまりに現実離れしすぎて夢を感じなくなった。 出演作品自体が、「ネタ」「コント」「漫才」のほかにハプニング性のある映像、また実際に放送されたNGシーンを短く編集して出品するなどの映像で賞金を獲得するのは、何でもありのコンテストとなってしまって、無理がある。 トータルテンボスは、大村が藤田に仕掛けた罠(ドッキリ)を楽しむネタで1000万円を2度も獲得した事が疑問視。 といった批判をしており、ラリーは、「1000万円の価値がある映像とは思えない」とも評している。また、色々なジャンルのネタを同じ土俵上で戦わせるのは無理があるとも指摘している。そしてS-1自体を「お笑いの企画として面白いイベントにしよう」という志が感じられないとも評している。 2つの動画が送られてきた映像を見て、どちらが面白いかを投票するシステムは、知名度が高く熱狂的ファンを持つ芸人が圧倒的に有利なため、この大会から輩出された無名の芸人は誰もおらず、「売れてる芸人が高額のギャラをもらうだけの大会」と揶揄された。特に千原ジュニアとケンドーコバヤシの『にけつッ!!』やタカアンドトシの『フットンダ筋肉ゆるキャラ』は、地上波テレビで放送した中からの総集編だった(つまり、この大会のために新しく制作された映像ではない)。そんな不平等さに、売れていない芸人たちも舞台などで「やる気なくす」「必死でネタを考えるのがバカらしい」と嘆いている。 事実、M-1のファイナリストで、無名だったスピードワゴン、麒麟、千鳥、サンドウィッチマン、スリムクラブ、オードリー、南海キャンディーズなどは、チャンピオンを獲得できていない。 さらに、吉本興業が全面バックアップをしているためか、M-1、R-1以上に「吉本の芸人が有利」と揶揄され続けられた。事実、吉本芸人が多く月間チャンピオンになっており、吉本興業が発刊していた『マンスリーよしもと』にも毎月専用ページがあり、吉本芸人がチャンピオンになった時は、大々的に特集している。一度だけ行われたグランドチャンピオン大会でも、吉本興業所属のNON STYLEであった。しかし、お笑いファンから「あれ(決勝で披露したさくらんぼのネタ)で1億円を獲得したのはおかしい」という批判を受けたため、NON STYLEは「1億円を使ってさいたまスーパーアリーナで無料ライブをします」と宣言し、実現させた。 ナインティナインの岡村は、自身の主役で出演した映画『てぃだかんかん』の宣伝で沖縄に訪れた時、移動中や食事中にマネージャーから映像を撮られ続けたので、「何をしているのか?」と聞いたところ、同大会に出品する作品を撮影していると言われる。おそらくはハプニング映像を撮影しようと思ったようだが、岡村は「そんな映像を撮ってもしょうがないのでは?」と困惑していた。
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