可逆論理回路とは? わかりやすく解説

可逆論理回路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/07 09:25 UTC 版)

量子回路」の記事における「可逆論理回路」の解説

再び、最初の「可逆な」古典計算について考える。 概念的には、可逆なnビット回路可逆なnビット論理ゲートの間に違いはない。なぜならどちらも、 nビット列空間上の単なる可逆関数だからである。 ただし前節述べたように、工学的理由から、可逆回路構成するために組み合わせられる少数単純な可逆ゲートが必要である。 この構成過程説明するために、可逆なn-ビットゲートfと、可逆なm-ビットゲートgがあるとする。 これらを合成することは、次の図のように、 fのk-ビット出力を、gのk-ビット入力接続して新し回路作成することを意味する。 以下の例では、 n = 5, k = 3, m = 7である。 結果回路可逆で、(n +m-k)-ビット動作するこの方法は古典的結合(classical assemblage)と呼ばれる。(この概念は、以下に引用するKitaevの先駆的な論文技術的定義に対応している。)。これらの可逆機械構成するために、中間的な機械可逆であることを確認することが重要である。 この条件は、 計算途中でゴミ」が生成されないことを保証する。(正味物理的効果は、エントロピー増加させることである。これは、この演習を行う動機1つである。) これで、 トフォリゲート汎用ゲートであることを示すことができる。 これは、任意の可逆的な古典的なnビット回路hが与えられ場合上記方法トフォリゲート古典的結合により、次のような( n + mビット回路fを生成できることを意味する。 f ( x 1 , … , x n , 0 , … , 0 ⏟ m ) = ( y 1 , … , y n , 0 , … , 0 ⏟ m ) {\displaystyle f(x_{1},\ldots ,x_{n},\underbrace {0,\dots ,0} _{m})=(y_{1},\ldots ,y_{n},\underbrace {0,\ldots ,0} _{m})} さらに次式が成立する。 ( y 1 , … , y n ) = h ( x 1 , … , x n ) {\displaystyle (y_{1},\ldots ,y_{n})=h(x_{1},\ldots ,x_{n})} . この最終結果では、常に補助ビットとしてm個のゼロ文字列があることに注意いわゆるゴミ」は生成されないため、この計算実際には、物理学エントロピー増加させない。 この問題は、Kitaevの論文注意深く説明されている。 より一般に任意の関数f は、(全単射それ以外どちらであってもトフォリゲートのみ回路によって模倣できること知られている。 写像単射ない場合は、計算途中(たとえば、最後ステップ)で「ゴミ」が生成されることは明らかである。 量子回路については、量子ビットゲートの同様の構成定義できる。 つまり、上記のような任意の古典的結合関連して、 fの代わりにn-量子ビットゲートUが、 gの代わりにm-量子ビットゲートWがある場合可逆量子回路生成できる。ここでは以下の図を例に説明するこの方法でゲート接続することで、 (n+m-k)-量子ビット空間におけるユニタリ作用素生成されるという事実は簡単に確認できる実際量子コンピュータでは、ゲート間の物理的な接続は、 デコヒーレンス発生する可能性がある場所の1つであるため、工学上の課題である。 普遍性、すなわち、少数種類ゲート組み合わせのみで、任意の量子回路構成できること証明されている。こうした量子回路普遍性定理(universality theorems)は、たとえばあるθに対する1-量子ビット位相ゲートUθと、2-量子ビットCNOTゲート W CNOTの組に対してのものが知られている。 ただし、量子回路普遍性定理は、古典的回路普遍性定理よりも弱い主張になっている。なぜなら、任意の可逆n-量子ビット回路が、これら2つ基本ゲートから組み立てられ回路によって任意に適切に近似できることのみを主張しているからである。また、古典的回路とは異なり非可算角度θに対して同じ量だけの位相ゲート存在するため、少なくともこれらは有限の{(Uθ, WCNOT)}のみでは表現できないことにも注意が必要である。

※この「可逆論理回路」の解説は、「量子回路」の解説の一部です。
「可逆論理回路」を含む「量子回路」の記事については、「量子回路」の概要を参照ください。

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