可逆性との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/10 14:49 UTC 版)
左可逆射(左逆射を持つ射)は常にモニックである。つまりl が f の左逆射である、すなわち、 l ∘ f = id X {\displaystyle l\circ f=\operatorname {id} _{X}} であるとき、f はモニックとなる。なぜならば、 f ∘ g 1 = f ∘ g 2 ⇒ l ∘ f ∘ g 1 = l ∘ f ∘ g 2 ⇒ g 1 = g 2 . {\displaystyle f\circ g_{1}=f\circ g_{2}\Rightarrow l\circ f\circ g_{1}=l\circ f\circ g_{2}\Rightarrow g_{1}=g_{2}.} となるためである。左可逆射は分裂モノ射(split mono)またはセクション(section)と呼ばれる。 しかしながら、モノ射は左可逆射である必要はない。たとえば、すべての群と群準同型射からなる群の圏において、H は G の部分群であるとき、包含写像 f : H → G は常にモノ射であるが、f が圏論的左可逆であるための必要十分条件は H が G の正規補群であることである。 射 f : X → Y がモニックであることの必要十分条件は、すべての射 h : Z → X に対する射 f∗(h) = f ∘ h によって定義される誘導射(induced map)f∗ : Hom(Z, X) → Hom(Z, Y) がすべての対象 Z について入射的であることである。
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