取極一札之事の取り交わしとは? わかりやすく解説

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取極一札之事の取り交わし

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 21:51 UTC 版)

小林一茶」の記事における「取極一札之事の取り交わし」の解説

文化5年6月25日1808年7月18日)、一茶江戸発って帰郷への途についた文化5年帰郷目的表向き祖母33回忌参列であったが、実際は弟との遺産相続問題解決、そして帰郷向けてコネクション作りであった。この時の帰郷時、一茶まっすぐに柏原向かわず榛名山草津温泉立ち寄った草津温泉では旧知俳人再会して約約1か月滞在し故郷柏原到着したのは7月初めになった。 7月9日1808年8月30日)に祖母33回忌法要執り行われその後一茶は弟との間で遺産分割交渉本格的に取り組んだ結局11月になって弥兵衛(仙六)、弥太郎一茶)そして本家弥七連名による「取極一札之事」が、村役人提出された。遺産相続問題にようやくひとつの解決がついたのである。 「取極一札之事」では、親(弥五兵衛)の遺言に基づき一茶に約3.64石の田畑、あとは山林3か所、家屋敷半分世帯道具一式夜具一式相続認められた。そして村役人親類一同確認の上紛失したものが無いことを確認済みであること、更に今後新たに遺書」が出てきても当取り決めによる決定内容変更は無いことが明記されていた。この証文本文は、筆跡から柏原名主中村左衛門の筆によるもの考えられている。このことから一茶と弟、仙六との遺産分割交渉名主中村左衛門介入があったことが明らかとなる。 なお、瀕死の父から貰い遺産相続に際して絶大な威力発揮した父の遺書は、示談成立後に名主中村左衛門が預かることになった。どうやら遺産相続問題の再燃恐れて措置であった考えられているが、後年まで一茶はこのことを根に持ち続ける。 実際一茶と弟仙六との間で、田畑についてどのような分割が行われたかについては、「辰御年皆済庭帳」という書類から確認が可能である。これは文化6年1809年)に作成された、前年である文化5年1808年)の年貢関連文書である。これによると一茶との財産分割合意する以前、弟仙六は9.21石あまりの田畑所有していたことが判明する。9.21石のうち、まず約0.56石を四郎次という人物引き渡し残りの約8.65石について、一茶約3.40石、仙六約5.25石という分割行っている。「取極一札之事」よりも一茶取り分が約0.24石少なくなっており、また財産分与均等ではなくおおよそ一茶4:仙六6という配分である。実際問題として父が亡くなった直後享和元年1801年)の資産は7.09石であり、また一茶故郷離れた安永6年1777年)は3.71石であった。7.09石の半分、そして3.71石は実際に一茶手に入れた資産近く遺産分割考え方として、父の死去時を起点とした遺産均等配分であるとともに、また一茶故郷離れた時、弟の仙六はまだ幼かったことを考慮してみても、一茶離郷時の資産にあたる部分一茶に渡すのが合理的という判断がされたと考えられる文化6年1809年)より、一茶これまで弟、仙六の家族の一員とされていたものが、柏原宗門帳に戸主として名を連ねるようになり、また年貢関連書類も本百姓として名が載るようになった。弟から分割受けた田畑については、正確なことはは解らないものの少なくとも一部については母方のいとこである仁之倉の徳左衛門管理委託し収穫から徳左衛門一茶分の年貢納めていたと考えられている。徳左衛門一茶財産問題に関して後見人的な役割を果たすうになる一茶手に入れた田畑柏原では中の上ランク自作農所有にあたり一茶としても遺産分割内容について特段の不満があった様子はない。しかし継母や弟にとってみれば、一茶故郷居ない間、自分たちこそがずっと小林家資産守り続けてきたのに、一茶少なからぬ資産手に入れたことは実情合わない不利な内容和解強いられたとの思い抱いたものと考えられている。 一茶と弟、仙六との間の父の遺産を巡る対立は、文化5年1808年11月の「取極一札之事」では解決しなかった。最終的な決着文化10年1813年1月の「熟談書附之事」の取り交わしまでもつれ込むことになる。

※この「取極一札之事の取り交わし」の解説は、「小林一茶」の解説の一部です。
「取極一札之事の取り交わし」を含む「小林一茶」の記事については、「小林一茶」の概要を参照ください。

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