取材証没収
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2007年9月10日、日本相撲協会は、同協会が発行し杉山が所持していた相撲取材証を没収した。 当初、北の湖理事長は、テレビのワイドショーなどで朝青龍問題について、日本相撲協会に批判的なコメンテーターの意見に対し「杉山さんが同調するようにうなずいた」ことを協会批判と捉え、取材証没収の理由の一つに挙げていたが、9月12日に杉山も含めた関係者による直接の話し合いの中で、協会側はこの件の論争を避けるような態度を取ったとされ、後の記者会見でも北の湖理事長は言及を避けた。東京相撲記者クラブには「協会への批判等は真摯に受け止める」と回答を寄せている。そして、取材証を没収のもう一つの理由に挙げていた、杉山のテレビ出演時の肩書である「相撲評論家」や「ジャーナリスト」を問題としたが、杉山が、肩書きについてテレビ局任せで配慮が無かったことを詫びたことで、取材証が杉山に返却された。 一連の騒動の中で、いわゆる「相撲協会批判」とされたテレビのワイドショーでの杉山の言動については、東京相撲記者クラブは「批判排除は暴挙」として、協会批判があったことを前提とした抗議文を提出したが、杉山自身は「理事長の指摘の内容は違う。『個人の権利があるから、もし弁護士がいて裁判になったらどうなるのだろう』という意見に、そういう見方もあるのか、と思っただけ」と、あくまで傾聴によるうなずきで、同意するうなずきではないと協会批判はしていない旨を釈明していた。 また、テレビ出演時の肩書について日本相撲協会は「相撲評論家やジャーナリストは取材記者でないから取材証は出せない」とし、「取材証を持つ以上は相撲記者クラブ会友として活動すること」を求め、ジャーナリストや評論家との線引きで注文を付けた。この件以降、杉山は「東京相撲記者クラブ会友」という肩書きで各メディアに出ている。 相撲レポーターとしての取材歴も長い芸能リポーターの横野レイコは、出演しているフジテレビのワイドショー番組『とくダネ!』の2007年9月12日の放送で、今回の措置が杉山のみならず、自身を含めた「純粋な相撲担当記者ではないメディア関係者全員」を対象とした措置であることを明らかにしたが、杉山同様、大相撲の話題の時にテレビのワイドショーなどに出演していた、元毎日新聞相撲担当記者の中澤潔も、それまでの相撲評論家や相撲ジャーナリストから、「東京相撲記者クラブ会友」の肩書きになって活動している。 相撲取材証とは、日本相撲協会から相撲記者クラブ所属の専門記者に発行される顔写真付きのカードで、一般の報道関係者と異なり、支度部屋に入っての取材が許可される。また、両国国技館の席チケットを無料で支給されるなどの優遇措置もある。このうち会友の資格は相撲記者クラブ在籍10年以上で、且つ55歳以上との条件があり、大相撲取材に長年貢献し、協会の発展に功労のあった人をクラブ幹事社が推薦、総会で承認を得て決められる。現在は50人弱が会友となっている。
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