厨子入木造大日如来坐像とは? わかりやすく解説

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厨子入木造大日如来坐像

主名称: 厨子入木造大日如来坐像
指定番号 3401
枝番 00
指定年月日 1988.06.06(昭和63.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 彫刻
ト書
員数 1躯
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  智拳印結んだ金剛界大日如来像で、頭体幹部はヒノキの一材を前後に割矧ぎ、像底を上底式に残して内刳り施し、割首として、表面漆箔仕上げる。光背木造白色彩、圏帯部などに金銅製の紐、花飾などを付ける。台座木造漆箔木造金泥塗り獅子八頭四頭現存)を反花上に置く。厨子内壁には木造金泥塗りの乗の仏、菩薩像三十六躯(二十八躯現存)を取りつけ光背中央上方宝塔あわせて金剛界曼荼羅の主要尊である成身会の諸尊あらわしている。厨子木造黒漆塗り。扉内側蒔絵で、金、胎両部大日如来種子を描く。これらは、厨子外面漆塗り等を除いて、製作当初のものとみられ、その丁寧な荘厳と、保存のよさが特筆される
 像は張りのある若々しい表情示し体躯のびやか安定感に富む。このような作風は、神奈川浄楽寺阿弥陀三尊像文治五年=一一八九 重文)、愛知滝山寺諸像(建仁元年一二一頃 重文)にみられる鎌倉時代巨匠仏師運慶作風似ており製作もおよそその頃考えられるまた、X線写真によって、像内に、木製とみられる五輪塔金属の蓮弁をもつ水晶製らしい珠、針金からげた人の前歯らしいものの納入認められるこのうち五輪塔水晶珠は、運慶主宰し興福寺北円堂弥勤仏像国宝)の納入品に例があり、歯は源頼朝追善滝山寺聖観音像に納入されたとの伝えがある。これらのことからも、運慶の作とは断言し難いまでも、運慶統率下の慶派仏師による造立考えられる
 近世の『足利鑁阿寺縁起』等によると、本像は源頼朝血縁にあたる足利義兼正治元年一一九九没)が、本拠地足利建てた法界寺の像であり、江戸時代にはその霊堂に安置されていたと伝えるが、その後明治初期近く光得寺移されたらしい作風の示す製作年代入念な政策態度あわせて考えても、鎌倉幕府要人であった義兼にかかわる造立である可能性は高い。



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