労働市場との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 06:11 UTC 版)
1990年代後半以降、雇用契約の期間に定めのある有期契約労働者(Fixed-term Contracted Workers)や派遣労働者といったいわゆる一時雇用(Temporary Employment)の増加がヨーロッパの大陸諸国や日本で指摘されるようになった。一時雇用(Temporary employment)において結ばれるのは期間の定めのある労働契約であり、正規雇用における期間の定めのない労働契約と対比される。雇用保護規制の一部は、一時雇用においては適用されないことが多い。 産業革命以降、製造業が産業の中心がとなり、フルタイムの労働者が労働力の中核となった。また、この過程で男性は仕事、女性は家庭という性的な役割モデルが確立されていく。パートタイム労働者は労働市場の中で規模を拡大していったが、一方で待遇格差など様々な問題も生じることになる。 解雇規制が緩いイギリスにおいては非正規雇用の比率はアメリカに次ぐ低水準にあるが、属性調整後の有期雇用者(非正規)と常用雇用者に格差は見られないものの、派遣社員は正社員より1割ほど低い賃金とされる。 社会学者の河合薫はイタリア、デンマーク、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、フランスでは非正規労働者の賃金の方が正社員よりも高いことを指摘している。 1994年に、国際労働機関 (ILO) は『パートタイム労働に関する条約(第175号)』を採択した。これはパートタイム労働者の労働条件が比較可能なフルタイム労働者と少なくとも同等になるよう保護すると同時に、団結権、団体交渉権、労働者が代表とともに行動する権利、労働安全の待遇、雇用および職業における差別、社会保障制度、母性保護、雇用の終了、年次有給休暇、有給な休日、疾病休暇に関してフルタイム労働者と同じ条件を、フルタイム、パートタイム間の自発的な相互転換の促進を定めている。2019年11月現在日本は批准していない。2019年11月現在の批准国は欧州を中心に18カ国である。
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