労働市場における静的独占
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 16:13 UTC 版)
「モノプソニー」の記事における「労働市場における静的独占」の解説
労働市場の標準的な教科書のモノプソニーモデルは、すべての労働者に同じ賃金を支払う一人の雇用者だけの静的な部分均衡モデルである。雇用主は、上向きに傾斜した労働供給曲線に直面する(一般的に無限弾性の労働供給曲線と対照的)。これは、右図の青いS曲線で表される。この曲線は支払われた賃金 w {\displaystyle w} に関連し、雇用レベル L {\displaystyle L} まで、増加関数 w ( L ) {\displaystyle w(L)} として示される。 総人件費は w ( L ) ⋅ L {\displaystyle w(L)\cdot L} で与えられる。 会社には総収入 R {\displaystyle R} があり、 L {\displaystyle L} で増加する。 会社は利益 P {\displaystyle P} を最大化するために L {\displaystyle L} を選択するが、次によって与えられる: P ( L ) = R ( L ) − w ( L ) ⋅ L {\displaystyle P(L)=R(L)-w(L)\cdot L\,\!} 最大の利益で P ′ ( L ) = 0 {\displaystyle P'(L)=0} なので、最大化の1次条件は 0 = R ′ ( L ) − w ′ ( L ) ⋅ L − w ( L ) {\displaystyle 0=R'(L)-w'(L)\cdot L-w(L)} w ′ ( L ) {\displaystyle w'(L)} は w ( L ) {\displaystyle w(L)} の導関数。したがって、 R ′ ( L ) = w ′ ( L ) ⋅ L + w ( L ) . {\displaystyle R'(L)=w'(L)\cdot L+w(L).} この式の左辺 R ′ ( L ) {\displaystyle R'(L)} は、労働の限界収益積(大まかに言えば、追加の労働者によって生成された追加収益)であり、図の赤いMRP曲線で表される。 右辺は、人件費の限界コスト (おおよそ、追加の作業員による追加のコスト)であり、図では緑色のMC曲線で表されている。特に、限界費用は、新しい労働者に支払われる賃金 w ( L ) {\displaystyle w(L)} よりも、次の分だけ高くなる。 w ′ ( L ) L {\displaystyle w'(L)L\,\!} これは、企業が追加の労働者を雇うときはいつでも、会社がすでに雇用しているすべての労働者に支払われる賃金を増やさなければならないためである。 図では、これにより労働供給曲線S よりも上にあるMC曲線が導かれる。 最大利益の1次条件は、図の点Aで満たされ、MCとMRPは曲線が交差している。これにより、利益を最大化する雇用が横軸のLとして決定される。次に、対応する賃金wが、点Mを介して供給曲線から取得される。 Mでの単因論的平衡は、競争条件下で得られる平衡と対照的である。競争力のある雇用主が市場に参入し、Mの賃金よりも高い賃金を提供したと仮定する。次に、最初の雇用主のすべての従業員は、代わりに競合他社のために働くことを選択する。さらに、競合他社は、最初の雇用者の以前の利益から、最初の雇用者の従業員の賃上げから相殺されていない金額を差し引いた金額と、賃上げのために市場で働くことを決めた追加の従業員から発生する利益をすべて得ることになる。 しかし、最初の雇用主はさらに高い賃金を提供し、新しいライバル企業の従業員を引き抜くことなどで対応するだろう。 その結果、完全に競争力のある企業間においては、 競争を通じて、 MではなくCに強制されることになる。 独占が売り上げを獲得し、価格を最小化し、出力を最大化する競争によって妨げられているのと同じように、この場合の雇用主間の従業員の競争は、賃金と雇用の両方を最大化する。
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