分布定数線路の特性インピーダンス
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「インピーダンス」の記事における「分布定数線路の特性インピーダンス」の解説
上記の R, L, C 集中定数素子のインピーダンスに対して分布定数回路、特に分布定数線路にも電圧と電流の比としてのインピーダンスがある。これは特性インピーダンスと呼ばれ、交流、特に高周波の伝送に用いられる同軸ケーブルあるいは平行線路等において重要な特性値である。単位長あたりのインダクタンスが L {\displaystyle L} の導体、単位長あたりのキャパシタンスが C {\displaystyle C} の絶縁体による損失のない均一な伝送路の特性インピーダンス Z 0 {\displaystyle Z_{0}} は次式で表される。 Z 0 = L C {\displaystyle Z_{0}={\sqrt {\frac {L}{C}}}} 詳細は「特性インピーダンス」を参照
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分布定数線路の特性インピーダンス
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「特性インピーダンス」の記事における「分布定数線路の特性インピーダンス」の解説
抵抗、インダクタ、キャパシタ等の一般の形状を持つ集中定数回路素子に対し、扱う交流の波長に対して無視できないサイズの回路を分布定数回路、特に交流電気エネルギーの伝送を意図した回路を分布定数線路という。分布定数線路、特に損失がなく無限に長い伝送路を仮定すると、交流電気エネルギーは伝送路上の電圧と電流が変化しながら相互に影響し合うことによっておおむね光速度で伝播する。このとき伝送路上に発生する電圧と電流の比は分布定数線路の種類や構造によって決まり、この比を特性インピーダンスと呼び、電気回路でのインピーダンスとアナロジの概念である。電圧と電流の代わりに電場(電界)と磁場(磁界)の比を用いても同じである。特性インピーダンスの概念は物理学者のオリヴァー・ヘヴィサイドによって導入された。 均一な平行二線による伝送線路の特性インピーダンスZ0は次式で表され、周波数の関数である。 Z 0 = R + j ω L G + j ω C {\displaystyle Z_{0}={\sqrt {\frac {R+j\omega L}{G+j\omega C}}}} ここで、R, L, G, C はそれぞれ伝送路の単位長あたりの直列抵抗 (オーム:Ω)、直列インダクタンス (ヘンリー:H)、並列コンダクタンス (ジーメンス:S)、並列静電容量 (ファラド:F)である。特性インピーダンスの物理的次元および単位はインピーダンスに一致し、単位はオーム(Ω)である。特性インピーダンスの逆数を特性アドミタンス(単位ジーメンス:S)ということがある。 さらに、伝送線路が無損失、すなわち R=0、G=0 の条件では、 Z 0 = L C {\displaystyle Z_{0}={\sqrt {\frac {L}{C}}}} となり、周波数に無関係な定数となる。 電気回路において、ある集中回路素子から分布伝送線路へ、あるいは分布伝送線路から集中回路素子へ電気エネルギーを伝達する場合、集中回路素子のインピーダンスと分布伝送線路の特性インピーダンスが異なるとエネルギーの一部が反射し、定在波の発生により効率低下、異常動作、故障の原因となる。このため、電気エネルギーの伝送のためには接続部においてインピーダンスあるいは特性インピーダンスを一致させる必要があり、このような操作はインピーダンス整合と呼ばれる。交流、特に高周波回路においては回路に挿入されるあらゆる分布伝送線路、集中回路素子、配線やコネクタに至るまで接続点でのインピーダンス整合の工夫がなされている。
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