全般的事項
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 23:05 UTC 版)
「福島第一原子力発電所3号機の建設」の記事における「全般的事項」の解説
基本的には前作の2号機と同一設計、同一規模である。主契約者となった東芝は機器を国産化するだけではなく、基本計画から設計過程を経て製作、試運転までのエンジニアリングを含め、取りまとめ役として位置づけされた。また主契約者となったため建設に備え、EBASCO社より2号機の設計資料を購入し、機器の据付、配管に関するシビルエンジニアリングに役立て、且つ、契約期間5年で3号機の設計について同社のチェック・レビューを受ける契約を締結した。 葦原悦朗は本機を題材に冷却材喪失事故時の対策について述べているが、事故が放射性物質の放散を引き起こしている場合には、原子炉建屋の通常換気は取りやめられ、非常用ガス系を起動、原子炉建屋を第二の格納設備として機能させ、100%/dayの非常時換気率で内側を6㎜Aqの負圧に保ち、建屋からの直接漏洩を防止するように考えられていたという。 タービンバイパス系の処理能力は2号機同様、定格蒸気流量の25%が継続された。 原子炉圧力容器の板厚は規格としてASME-Section IIIを2号機同様に採用したため、応力解析を反映することが可能となり、1号機の160㎜より薄くなり140㎜となっている。安全弁3個、逃し弁8個が格納容器内の主蒸気管に取付され、安全弁の容量は定格蒸気流量の約85%とされた。 非常電源設備については、2台の18V40Xディーゼル発電機(新潟鉄工製)が設備され、うち1台は4号機との共用であった。その非常用負荷は6300kWで、これを駆動するため皮相電力は8125kVAの容量がある。排気塔は既設1,2号機用のものの南方に4号機と共用のものが新たに建設された。 プロセス計算機は1、2号機から変更され東芝製のTOSBAC7000/20が採用された。計測制御用のGE-MACシステムも本機では対応する国産品TOSMACシステムに置き換えられ国産化された。 建屋配置は同型の2号機となるべく合わせるように配慮されたが、サービス建屋を4号機と共用し、中央操作室(コントロール建屋)も4号機のそれと隣接させるように考えられたため、これら建屋の位置関係2号機とは異なる結果となり、電気機器の配置は重点的に検討が行われた。開閉所は1、2号機共用の開閉所の南側に4号機と共用のものを新設し、35mの高台ではなく切り崩して造成した用地に設けられた。 耐震設計は1号機と同様、建屋基盤における最大加速度を180Galとして、重要度に応じた区分を行いつつ実施されている。動的解析のための地震波は当地と類似した地盤を持つとされた米国タフト地震波、加えて当時よく使用されたエル・セントロ地震波が使用された。
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