保守の逆襲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 14:26 UTC 版)
「ティーパーティー運動」の記事における「保守の逆襲」の解説
こうして始まった保守の逆襲は、全米の政治トレンドとなった。勢いを増したティーパーティー運動は、保守派の草の根運動の代名詞とされた。この草の根は、次第に組織力を増して、全国的展開をする団体も現れるようになった。一部では共和党の非主流派の活動ともリンクし、議会圧力団体であると同時に、強力な集票マシンでもあり、小口の支援者を大量に集める集金力も運動の強みであった。(下記を参照) 2010年2月4日から3日間、テネシー州ナッシュビルで初のティーパーティー全国大会が開催され、さらにその広告塔として依然として注目の的であったサラ・ペイリン前共和党副大統領候補(前アラスカ州知事)が高額の出演料で担ぎ出された。彼女は大会の基調演説を行い、「アメリカは第二の革命に進もうとしている、みなさんはその一員なのです」と述べて喝采を浴び、反オバマ色を鮮明にし、以後、ペイリンはマスコミから”非公式”な運動のリーダーと目されるようになった。 2010年4月15日、二回目となるTax Dayの抗議では、全米数千箇所で抗議集会が開かれたと報道された。運動は非常に熱を帯びるようになり、共和党の予備選を前にしたこの3月、4月は運動は特に活発で、単なる大統領や議会への抗議から、候補者への圧力団体にシフトする傾向が見られた。 2010年8月28日、ワシントン大行進から47周年になるキング牧師の演説記念日に、首都ワシントンのリンカーン記念堂前でティーパーティーが主催する「名誉回復」を掲げた大規模な集会が開かれた。この集会を呼びかけたのはグレン・ベックで、サラ・ペイリンもゲストで招かれた。ベックは自ら演説して「神への回帰」を説き、キリスト教への信仰心を持って18世紀の建国の父の思想に立ち戻るべきだと訴えた。あえて黒人公民権運動活動家の記念日にほぼ白人のみ(後述)の集会を開いたことに対して「キング牧師への侮辱だ」との批判が続出したが、ベックは「30万~50万人が集まった」と称して、11月の中間選挙を控え、ティーパーティー運動と保守派の勢いをアピールした。またこの非政治的集会によって、運動には宗教的保守の側面があることも明らかになった。 中間選挙が近づくと、ティーパーティー運動がどう選挙に影響するかが話題となった。政策面では、ティーパーティー各グループの主張にはばらつきがあり、余りに保守的(財政保守主義だけに留まらず、宗教保守派の主張が色濃く、中絶禁止や同性婚の反対なども含む)なため、実際の選挙では鍵となる中道と無党派層の支持を失う結果になるのではないかとも分析されていた。(後述) そこで運動の真価は実際の選挙で試されることになった。(2010年の中間選挙の詳細については下記)
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