会社分割の事例
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みずほ銀行・みずほコーポレート銀行 会社分割制度導入の背景には、財界の強い要望があった。これは、2002年以降、第一勧業銀行と富士銀行(普通銀行)・日本興業銀行(長期信用銀行)をみずほ銀行・みずほコーポレート銀行に再編するにあたり、その規模および社会的影響から、事業譲渡よりも会社分割を行うほうが望ましいと判断されたことによる。加えて、当時の法律上、普通銀行同士、あるいは長期信用銀行同士での合併・会社分割・事業譲渡は可能ではあったが、第一勧銀・富士と興銀の場合、合併は可能だが、会社分割や事業譲渡は不可能であったため、以下のスキームで再編がなされている。 まず、2002年1月8日付で「みずほ統合準備銀行」という長期信用銀行を設立して免許を取得、興銀はコンシューマーバンキング業務を統合準備銀に吸収分割させ、コーポレートバンキング業務のみとなる。統合準備銀は、免許こそ長期信用銀行扱いだが、扱う業務はコンシューマーバンキングのみであるから、実体は普通銀行である。 同年4月1日、第一勧銀がコーポレートバンキング業務を富士に、富士のコンシューマーバンキング業務は第一勧銀に事業交換する形で吸収分割。第一勧銀は統合準備銀を吸収合併して「みずほ銀行」、富士は興銀を吸収合併して「みずほコーポレート銀行」にそれぞれ商号変更、コンシューマーとコーポレートの機能別二眼レフ体制が始まった。 2013年7月1日付で、みずほコーポレート銀行がみずほ銀行を吸収合併。新たに「みずほ銀行」となり、機能別二眼レフ体制は終わりを告げた。みずほコーポレート銀が存続会社となるため、旧富士銀の法人格を以降のみずほ銀行が継承する形となった。 モビット 実質的な経営権の移動に伴い、2013年末頃に公式発表、2014年2月実施。カードローン事業は譲受先である三菱東京UFJ銀行の同部門と統廃合を実施、新ブランド「バンクイック(BANQUICK)」として再出発。 安田信託銀行 1990年代後半、経営危機に陥った安田信託銀行は、1999年に収益性の高い法人部門や年金部門などを分割して、第一勧業富士信託銀行へ営業譲渡した。 なお、その後の再編に伴って、2003年にみずほグループの信託分野はすべて統合され、みずほ信託銀行に名実共に一本化されている(法人格上は、安田信託銀行から改称したみずほアセット信託銀行が、旧みずほ信託銀行を吸収合併して改称)。 岩田屋三越 2010年実施。詳細はこちらを参照。 あさひ銀行 協和銀行と埼玉銀行が合併し協和埼玉銀行が誕生、さらに行名をあさひ銀行と変更したが、あさひは会社分割で旧埼玉を切り出して埼玉りそな銀行を設立、残ったあさひ(=実質的には協和)がりそな銀行と統合した。 新日鉄興和不動産 旧会社・興銀不動産が2003年に実施。旧会社は清算会社に移行され解散。その4年後に存続会社・旧新日鉄都市開発により旧日鉄鋼管の不動産事業分割移譲でも同様の手法で実施。 アルナ工機 阪急電鉄(旧社、現阪急阪神ホールディングス)を母体として設立した車両系メーカー。2002年に実施した会社分割では車両部門のアルナ車両(グループ残留)、輸送機器用品部門のアルナ輸送機部品(のち川崎重工系に)、特殊車両(アルミバン)部門のアルナ矢野特車(同業中堅の矢野特殊自動車へ売却)の3社にそれぞれ解体した。 ペティオ 2016年に母体企業・ヤマヒサ(住宅設備用品メーカー)が旧ペットケア事業部を分社。尚、このことに伴い減資を実施。 コミックス・ウェーブ 2006年度末にMBOを伴う会社分割を実施。第二会社として新設された企業に、新海誠が参加したアニメ系コンテンツ制作会社である現コミックス・ウェーブ・フィルムや、アダルトゲームブランド『minori』がある。 アートコーヒー 2008年頃の経営危機時に、窓口商社・三菱商事の支援を受け、会社分割を実施。その後は創業の翌々年に参入した喫茶店事業をアートカフェとして分社、ゼンショーグループに身売り。
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