仙台 - 東京間(仙台からの流出)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 14:43 UTC 版)
「仙台経済圏」の記事における「仙台 - 東京間(仙台からの流出)」の解説
以上のように、高速バスによって仙台経済圏は拡大したが、一方で、仙台 - 東京の間に格安の「ツアーバス」が参入し、着実に利用者数を増やしてきている。このバスは、仙台の「時間はあるけどお金がない」ような学生たちに人気になっている。 仙台 - 東京間は、高速バスで5時間 - 5時間半くらいで繋がれている。その料金は、「高速バス」(JRバス東北と東北急行バスの共同運行)の場合、片道:6,210円。「ツアーバス」の場合は、ビジネストラベルが運行する昼間の便が片道:3,800円(ネット割引:3,300円)、桜交通は片道:3,000円(特定日は2,800円、2,500円)となっている。つまり、路線バス形態の「高速バス」に比べ、「ツアーバス」では約半額で利用出来ることになる。なお、「ツアーバス」の中にも『高速バス』と表示し販売しているものもあるが、路線バス形態の正規の「高速バス」とは全く別物であり、適切な表示とは言えない。 さて、仙台 - 東京間は、JRの普通列車で6 - 7時間で移動出来るため、青春18きっぷの1回分の2,300円で移動出来る。しかし、青春18きっぷは、春休み・夏休み・冬休みのそれぞれ期間限定であること、5回分が一綴りになって11,500円で売っており、使い残しができてしまいがちであること、JRの普通列車を乗り継ぐより、高速バスの方が1時間以上早く目的地に着けること、などのために、3,000円程度で利用できるツアーバスが人気になっているのだと考えられる。結局、「毎日が青春18きっぷ」のような状況が仙台 - 東京間に出来たことになり、気軽に東京に行く仙台の若者が増えてきていると考えられる。 また、福島 - 郡山 - 東京でもツアーバスが運行されており、昼行便で福島発2500円程度、郡山発2000円程度、夜行便で福島発3500円程度、郡山発3200円程度となっており、仙台経済圏の拡大の一方で、東京の影響力拡大も起こっている。 郡山 - 東京(ツアーバス) : 4時間、片道2100円(最安値。昼行便) 郡山 - 仙台(高速バス): 約2時間、片道1300円(6枚綴り回数券利用。定価は1900円) 一方、ツアーバスの台頭によって既存の高速バスは利用者が減少傾向にある。今までは生活路線の赤字を高速バスの収益で穴埋めし、生活路線を守ることができたが、高速バスの減収により生活路線の維持が困難になり、廃止される例が急増している。仙台都市圏の一般路線バスには今のところ大きな影響はないものの、ツアーバスの台頭により、東京 - 仙台間のツアーバスとは直接関係ない生活路線が廃止される恐れがあり、実例としてJRバス東北の例がテレビ東京『日経スペシャル ガイアの夜明け』で紹介された。また、ツアーバスは安全面での問題も指摘されている。これらの問題はツアーバス#利点・問題点などを参照。
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