仙台経済圏の交通環境の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 14:43 UTC 版)
「仙台経済圏」の記事における「仙台経済圏の交通環境の変化」の解説
JRは、東北新幹線を利用した東京への遠距離大量輸送には、CMをうったり新車両を導入したりして積極的な投資をしているが、仙台経済圏内の在来線には積極性がなかった。また、安価な都市間移動を担っていた「高速バス」が、長年寡占状態であったため、運賃の値上げはすれどもサービスはよくならないような状況が続いていた。 そんな中、1999年3月の高速バスの仙台 - 福島線開設以後、仙台を目的地とする近距離都市間高速バスの新設・増便・値下げ競争が続き、それにJRが回数券より安い特別企画乗車券で対抗した。さらに、ETCの通勤割引が出来たため、通勤・通学客のみならず、買い物客にまで影響を与える大規模な陸上交通の再編が起きた。この再編によって仙台経済圏は拡大し、飲み込まれた都市圏や地域圏では、既存の圏内中心部に向かう一般バス路線網が仙台に向かう高速バス路線網に置き換えられてきている。地域圏の廃止された一般バス路線には、ダウンサイジングしたコミュニティバスや乗合タクシーなどが導入された。 他方、東京 - 仙台間に「ツアーバス」(路線バスではなく、観光バスを使う旅行商品の扱いとなる)が運賃を大幅に値下げして参入したことにより、「高速バス(路線バス)」とJRとの三つ巴のシェア争いが起こっている。 結果的に、おおまかに言って現在の仙台経済圏の交通環境は、 仙台都市圏内: 自家用車、鉄道(地下鉄・JR在来線)、路線バス 仙台経済圏内: 高速バス、自家用車(ETC通勤割引)、鉄道(新幹線・在来線) 仙台経済圏外: 高速バス、新幹線、自家用車 仙台 - 東京間: 新幹線、ツアーバス、高速バス 以上のような状況になってきている。仙台経済圏内における仙台市と仙台都市圏外とを結ぶ路線では高速バスが圧倒的に優位に立っており、JRが優位に立っているのは、仙台 - 石巻間(仙石線)のみとなっている。
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