他社によるZ80上位互換CPU
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 17:34 UTC 版)
「Z80」の記事における「他社によるZ80上位互換CPU」の解説
以下にZ80互換のCPUのうち、ザイログ以外の会社で開発された上位互換性を持つものを示す。高速化を図ったものや、周辺デバイスを集積したものである。 HD64180 日立製作所(現ルネサス エレクトロニクス)が開発。高速化されたZ80バイナリーレベル互換命令とMMUを集積し、アドレス空間を512KB〜1MBにしたもの。乗算、TST命令などを追加している。IX/IYレジスタの8ビットアクセスには対応していない。68系周辺デバイスのバスサイクル(同期バス)に合わせたHD64180R1と、Z80用周辺デバイスのバスサイクル(非同期バス)を直接接続できるHD64180Zがある。ザイログからは、HD64180Zのセカンドソース品としてZ80180と派生製品が出荷され、2022年現在現行製品である。 μPD9002 NEC Vシリーズのひとつで、PC-88VAが使用。V30が8086の上位互換であるのと同時に8080互換モードを持つように、この石は8086の上位互換であるのと同時にZ80互換モードを持つ。型番が示すとおりVシリーズの通常のラインナップ(μPD70〜)ではなく、カスタムモデルである。チップそのものはV30をベースに周辺回路を統合したV50を基本としているため、Intel 8086とのソケット互換性はないが、PC-88VA2/3においては、V30モード時に8087-1コプロセッサが稼動する数値演算プロセッサソケットが用意されていた。 R800 アスキーが開発した、内部16ビットの高速版Z80互換CPU。1990年4月に発表。乗算命令を拡張しているが、使用するレジスターの組み合わせで計算結果が不正になる不具合があるため、実質使用できるレジスターが制限されていた。また隠し命令のうち、IX/IYレジスタの8ビットアクセスを主とするいくつかの命令が正式命令としてサポートされる。Rレジスタが8ビット幅になっている。MSXturboRに搭載された。CPU機能を停止しメモリコントローラーとして動作するモードも持ち、同機で使用された。MMUやDMAを集積しているが、仕様がMSXのものとは異なるため使用されなかった。 TMPZ84C00 TMPZ84C011 東芝 CMOS版Z80CPU、Z80CTC、Z80PIO非互換パラレルI/Oを集積したチップ。 TMPZ84C013 東芝 CMOS版Z80CPU、Z80CTC、Z80SIO等を集積したチップ。 TMPZ84C015 東芝 CMOS版Z80CPU、Z80CTC、Z80PIO、Z80SIO、CGC、ウォッチドッグタイマー等)を集積したチップ。また、本家にあたるザイログからも同等のZ84C15が販売されている。ただし、ピン機能の一部が異なる。東芝TMPZ84C015は製造中止。 TMPZ84C112 東芝 CMOS版Z80CPU、Z80PIO非互換パラレルI/O、タイマー、256バイトRAM等を集積したチップ。 TMPZ84C710 東芝 CMOS版Z80CPU、ISDN基本インターフェイス、Z80SIO等を集積したチップ。 TMPZ84C711 東芝 CMOS版Z80CPU、ISDN基本インターフェイス、Z80SIO等を集積したチップ。Z84C710上位互換。 TMPZ84C810 東芝 CMOS版Z80CPU、Z80CTC、Z80SIO、パラレルI/O、DMA、MMU、DRAMリフレッシュコントローラー、ウォッチドッグタイマー等を集積したチップ。 KC80, KC82 川崎マイクロエレクトロニクス(旧川崎製鉄)の、Z80互換の高速版CPU。KC80の改良版KC82をコアにMMUなどを追加した組み込み用ICとしてKL5C8012、KL5C8016、KL5C8020が販売されていた。なお、KC80 CPU単体の KL5C8400 も販売されていた。また、16ビット版で上位互換のKC160も販売されていた。2009年7月1日に一連の汎用マイコンの生産終了が発表された。 MSX-ENGINE MSX 向けのカスタムCPU。MSXで使用する周辺LSIを取り込んで製品化されたもの。 Rabbit2000 Rabbit2000は一部の命令の追加と削除をして高速化したZ80である。米国Rabbitセミコンダクター社が開発・販売している。Rabbit2000、Rabbit3000、Rabbit4000、Rabbit5000のバージョンがあり、上位モデルのRabbit4000/5000では32bitとして動作する32bitアーキテクチャーとなっている。 Rabbit2000/3000/4000/5000はHD64180/Z180のアーキテクチャーを基にしており完全なバイナリー互換ではない。(Partly compatibleを参照)。eZ80と同じく現行商品である。
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