他の語族との関連
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「インド・ヨーロッパ祖語」の記事における「他の語族との関連」の解説
印欧祖語と他の語族との関係については諸説あるものの、印欧祖語よりもさらに時代を遡るためにいずれも推測による部分が大きく、従ってこれらの仮説の妥当性が問題となる。インド・ヨーロッパ語族と他語族との類似点として、以下が挙げられる。 ウラル語族 :形態素の一部が明らかに同源である。 コーカサス諸語 :音声的な特徴が類似している。ナフ・ダゲスタン語族には文法性が存在。 アフロ・アジア語族セム語派 :文法性の存在、形容詞の変化、子音のみの単語に母音を挿入し造語。 ここから、以下のような仮説がある。 インド・ウラル語族:ウラル語族と同系とする説。 ポンティック語族:北西コーカサス語族と同系とする説。北西コーカサス語族を基層とし、ウラル語族のような北ユーラシアの言語を上層とする混合言語説もある。 インド・セム語族(英語版):セム諸語と同系とする説。 大語族仮説ウラル語族、アルタイ諸語、日本語、チュクチ・カムチャッカ語族、エスキモー・アレウト語族などとの関係を主張する説(グリーンバーグのユーラシア大語族説が代表的)、さらにアフロ・アジア語族やドラヴィダ語族などとの関係(ノストラティック大語族説)、終局的には世界祖語との関係を論ずる説(ルーレンが主に主張)などがある。
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他の語族との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 03:21 UTC 版)
ユカギール語との間でウラル・ユカギール語族を形成するという説が有力である。両者は人称代名詞等が明らかに同源であり、否定動詞が存在するなど類型的特徴も類似している。ユカギール人はかつては西はバイカル湖まで分布していたといわれており、遼河・モンゴル付近でウラル語族と分岐し東方へ向かったと考えられる。ハプログループN (Y染色体)がユカギール人でも31%観察されることから遺伝子の面からも両者の同源性が示唆される。 アルタイ諸語との間にウラル・アルタイ語族を形成するという説が古くからあるが、語族としての条件を満たさないため現在は棄却されている。話者の点からもアルタイ諸語はハプログループC2 (Y染色体)、ウラル語族はハプログループN (Y染色体)と異なっている。しかしウラル語族とアルタイ諸語の類型的類似は甚だしく、おそらく、アルタイ山脈付近に分布していた原アルタイ諸語が、遼河方面から拡散してきたウラル語族を上層言語として混合し、ウラル語族の類型的特徴を持つ現在のアルタイ諸語が形成されたものと思われる。 一方で、一部の形態素の著しい一致からインド・ヨーロッパ語族との同系説も存在する。しかし、インド・ヨーロッパ語族の原郷は黒海北岸であり、両者が同源であるとは考えられない。クルガン仮説では、古い時代にインド・ヨーロッパ祖族が北方森林地帯のウラル系民族との活発な交流があったことが想定されており、おそらくインド・ヨーロッパ語族の成立過程において、ウラル語族との接触により言語混合を起こしたものと推測される。フィン・ウゴル語派におけるインド・ヨーロッパ語族との形態素の類似が、サモエード語やユカギール語におけるそれに比べて高いのは、インド・ヨーロッパ祖語との接触がフィン・ウゴル語に限られていたことを示唆する。 また、マイケル・ホーテスキューによって1998年に最初に提案されたウラル・シベリア語族も存在する。これはウラル語族、ユカギール語、チュクチ・カムチャツカ語族、エスキモー・アレウト語族が含まれるが、現段階では定説には至っていない。ただし、上記諸語族の話者にハプログループN (Y染色体)が高頻度で含まれていることから、ハプログループNに属す集団の流れを反映している可能性がある。
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