この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方 ) 出典検索? : "否定動詞" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2023年8月 )
否定動詞 (ひていどうし、英語 : negative verb , フィンランド語 : kieltoverbi )はフィンランド語 などウラル語族 を中心として、ユカギール語 、朝鮮語 などにも見られる、動詞 として変化する否定辞のこと。
インド・ヨーロッパ語族との違い
肯定形においては、インド・ヨーロッパ語族もウラル語族でも動詞本体が活用する点で同様である。以下、インド・ヨーロッパ語族の例として、スペイン語を、ウラル語族の例としてフィンランド語を取り上げる。
スペイン語 beber(飲む)の直説法 現在
人称
単数
複数
1.
bebo
bebemos
2.
bebes
bebéis
3.
bebe
beben
フィンランド語 juoda(飲む)の直説法現在
人称
単数
複数
1.
juon
juomme
2.
juot
juotte
3.
juo
juovat
一方、否定形の場合はインド・ヨーロッパ語族では否定辞(英語ではnot、スペイン語はno)はそのままで、動詞が活用するが、ウラル諸語では、否定辞が活用し、動詞は語幹(過去形においては過去分詞、単複の区別はある)となる。つまり、否定辞がインドヨーロッパ語族における助動詞のような扱いを受けるということである。ただし、インド・ヨーロッパ語族では助動詞の後は語幹ではなく不定詞もしくは現在分詞や過去分詞が来るが、過去形においては助動詞自体が過去形の人称・数変化をする点でウラル諸語の否定動詞とは性質が異なる。
スペイン語 beber(飲む)の直説法 現在(否定形)
人称
単数
複数
1.
no bebo
no bebemos
2.
no bebes
no bebéis
3.
no bebe
no beben
フィンランド語 juoda(飲む)の直説法現在(否定形)
人称
単数
複数
1.
en juo
emme juo
2.
et juo
ette juo
3.
ei juo
eivät juo
フィンランド語の場合の動詞語幹がここでは3人称単数の肯定形と同じになっているが、偶然であり、動詞によっては異なる。エストニア語では否定動詞の人称変化はなく、すべて ei である。否定動詞は 人称変化する点で、一見英語の don't doesn’t に似ていると言えないこともない。
スペイン語 beber(飲む)の直説法点過去(否定形)(肯定形はnoを取る)
人称
単数
複数
1.
no bebí
no bebimos
2.
no bebiste
no bebisteis
3.
no bebió
no bebieron
フィンランド語 juoda(飲む)の直説法過去
人称
単数
複数
1.
join
joimme
2.
joit
joitte
3.
joi
joivat
フィンランド語 juoda(飲む)の直説法過去(否定形)
人称
単数
複数
1.
en juonut
emme juoneet
2.
et juonut
ette juoneet
3.
ei juonut
eivät juoneet
フィンランド語では動詞が過去分詞となっており、単数がjuonut,複数がjuoneetである。なお、フィンランド語の否定動詞は「いいえ」の意味でも使い、疑問文に対して答えるべき人称・数の活用を用いる(2人称単数の疑問文で訊かれたら、1人称単数enで答える等)。
関連項目