述語の文法的カテゴリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 08:13 UTC 版)
否定 動詞の否定は「-ない」の融合した「-ね」を使うが、「-れる」「-られる」の否定のときは「-んなえ」「-らんなえ」と言う。 過去 過去を表す「-た(だ)」は、置賜地方で「-ちゃ(じゃ)」と言う。 進行相 進行アスペクトには、「かえでだ」(書いている)、「みでだ」(見ている)のような「-てた」や、「て」の促音化した「かえっだ」(書いている)「みっだ」(見ている)のような形を用いる。 推量・意志・勧誘 推量には、内陸方言で「-べ」を用いる。動詞に付ける場合は、「-べ」は推量のほかに意志・勧誘を表し、終止形に後接させる。ラ行五段・一段・カ変・サ変動詞に「-べ」が付くときは「とっぺ」「とんべ」(取ろう)のように促音化や撥音化が起きる。 可能 可能表現には、村上地方・最上地方で、「かぐえ」(書ける)のように、動詞の終止形に「え」を付ける。能力可能と状況可能の区別はない。この「え」は形容詞型の活用をする。東北北部で使われる「-によい」系の表現と考えられる。置賜地方では「-れる」「-られる」を用いる。 使役 使役表現には、「いがしぇる」(行かせる)、「おぎらしぇる」(起きさせる)のように、五段活用・サ変には「-しぇる」、一段活用・カ変には「-らしぇる」を用いる。 回想「け」 回想を表す「け」は、活用語の終止形に付く。例えば「もう少しで忘れっけは」など。 希望 希望を表す「-たえ」が付く動詞の活用形は、村山方言では連用形と終止形とで揺れている。例えば「かえだえ/かうだえ」(買いたい)など。 敬語表現 旧城下町を中心に敬語表現がある。尊敬や丁寧を表す助動詞として、新庄市付近などに「-あんす」、米沢市付近に「-やる」「-なる」がある。
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