述語範疇投射分析とは? わかりやすく解説

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述語範疇投射分析

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 00:21 UTC 版)

小節 (言語学)」の記事における「述語範疇投射分析」の解説

2つ目の分析方法として、小節述語主要部投射として扱う方法挙げられ叙述関係上の主語述語最大投射指定部に生起する仮定するこの分方法は、Chomsky (1970)の提唱した句構造モデルに基づき、Stowell (1981)とContreras (1987)が発展させたものである。 Stowell (1981)は、主語指定部に生起するNP定義し、さらに名詞句構造認可するために不可欠な格は指定部で認可される議論した上で小節構造提案している:6。この分析の利点として、NP非定形節指定部への投射可能な一方、なぜこの種の節内に主語として生起できないのかを説明することができる:6。 この分析を採用すると、小節は以下の構造を持つことになる。 ( ) . I consider [AP John [A' very stupid]]. ( ) . I expect [PP that sailor [P' off my ship]]. ( ) . I saw [VP John [V' come to the kitchen]]. また、小節適格文法単位構成するためには、その内要素主動詞の選択制限に従わなければならない事実説明できる。例として、以下の例は主動consider選択特性小節内部まで及んでいることを示唆している。 ( ) a. I consider [Mr. Nyman a genius]. ( ) b. *I consider [Mr. Nyman in my shed]. (b) が非文であるのは、 「consider補部NP選択するが、PP選択しないため」という説明が可能である。 一方、この選択制限に関する議論については研究者間で意見の相違があり、例として、小節述語PP使用されていても文法的となる場合がある。 ( ) a. I consider [the team in no fit state to play]. ( ) b. *I consider [my friends on the roof].:159 また、小節認可されるか否かには、意味的な要素も関わってくる。 ( ) a. *The doctor considers [that patient dead tomorrow]. ( ) b. Our pilot considers [that island off our route]. なお、通常非文見做される用例も、特定の文脈においては容認される場合がある。これは、主動詞と小節の意味関係性が、文全体容認度に影響を表すことを示している。 ( ) a. *I consider [John off my ship]. ( ) b. As soon as he sets foot on the gangplank, I'll consider [John off my ship].:33 さらに、主動詞の格付与に関連する経験的事実も、小節認可には選択制限関わることの証拠となる。例として、動詞 consider補部生起する名詞句対格表示されなければならず、主格認可されない( ) a. I consider [Natasha a visionary]. ( ) b. I consider [her a visionary]. ( ) c. *I consider [she a visionary]. これは通言語的にも観察することができ、例としてセルビア・クロアチア語では、小節主語対格表示され述語具格表示される( ) a. (Ja) smatram ga budalom. I.NOM consider him.ACC a fool.INSTR ( ) b. *(Ja) smatram ga budala. I.NOM consider him.ACC a fool.ACC 'I consider him a fool.' これは、小節述語主動詞に選択されることを示している。 一方この分方法は、移動現象分析において理論的問題生じさせる:432( ) a. Whati does John consider [AP Bill [A' ti]]? ( ) b. Howi do you want [NP your eggs [N' ti]]? 上記の例は#移動に基づく証拠からの再掲であるが、例示されている通り中間投射移動が可能であることを想定しなければならず、これは広く観察可能な経験的事実反する。

※この「述語範疇投射分析」の解説は、「小節 (言語学)」の解説の一部です。
「述語範疇投射分析」を含む「小節 (言語学)」の記事については、「小節 (言語学)」の概要を参照ください。

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