セム語派
セム諸語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 05:25 UTC 版)
ヘブライ語やアラビア語などセム諸語は原則として男性・女性の2種類の性があり中性はない。以下は代表的なアラビア語を例にして説明する。名詞は語尾で男性か女性か判別できるものが多い。大抵の女性名詞はة(ター・マルブータ)で終わり、男性名詞にةをつけて女性名詞にしたものも多い。双数や複数、動詞の人称変化でも男女の区別がある。形容詞は叙述用法、限定用法にかかわらず修飾する名詞によって形を変え、ほとんどの場合にはةをつけることで女性形となる。但し定冠詞は性によらず常に ال (al)を用いる。また名詞や形容詞の格変化も性によらない。ヘブライ語もアラビア語と同様に冠詞は性によらずהを用い、複数形や動詞の人称変化でも性の区別があり、形容詞は修飾する名詞によって語尾などが変化する。 アラビア語では体の対を成す部分や地名は女性名詞であるが、例外的にアラブ圏の7カ国の国名(レバノン、ヨルダン、イラク、スーダン、モロッコ、イエメン、ソマリア)は男性名詞である。また、集合名詞を女性名詞化することで個別の名詞を作ることが出来る。例えばشجر(shajar: 樹木)に対するشجرة(shajara: 木)などである。さらに、طريق(tarīq:道)やسكين(sikkīn:ナイフ)のような、男性名詞としても女性名詞としても使われる名詞もある。
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