他の物理量との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 20:40 UTC 版)
マクロな物質の質量は同一物質で同温・同圧の条件下においては、経験的に体積におおよそ比例することが知られている。この性質から、特に温度や圧力による体積変化が少ない固体・液体において、物質ごとに定まる物理量としての密度が用いられる。 これより、均一物質を分けた場合、その体積比と質量比はおおよそ一致することとなる。この性質により、物質を根源となる粒子まで細かく分けていけば、その粒子の種類ごとに質量が定まり、その粒子の質量の総和が物質の質量となるという、いわゆる原子論の類の説が説得力を持つことになる。アヴォガドロの分子説の根幹である「同温・同圧の気体中には同数の分子が存在する」という主張も、体積と質量の比例関係から一定の説得力を得られるのである。これらの化学の発展に基づき、同一物質であれば質量に比例する物質量が定義されるに至った。 ニュートン力学においては、力と質量、加速度の関係を表す運動方程式、 F = m a {\displaystyle {\boldsymbol {F}}=m{\boldsymbol {a}}} F:物体に働く合力、m:物体の質量、a:物体の加速度 が成り立つ。これは運動の第2法則 F = d p ( t ) d t {\displaystyle {\boldsymbol {F}}={\frac {\mathrm {d} {\boldsymbol {p}}(t)}{\mathrm {d} t}}} に運動量 p と質量 m および速度 v の関係 p ( t ) = m v ( t ) {\displaystyle {\boldsymbol {p}}(t)=m{\boldsymbol {v}}(t)} を適用したものである。 特殊相対性理論においては、物体のエネルギーは E c = m d ( c t ) d τ {\displaystyle {\frac {E}{c}}=m{\frac {d(ct)}{d\tau }}} E:物体のエネルギー、c:光速、m:物体の静止質量、t:観測者の時刻、τ:固有時 で定義される。これを計算すると、 E = m c 2 1 1 − ( v c ) 2 {\displaystyle E=mc^{2}{\frac {1}{\sqrt {1-\left({\frac {v}{c}}\right)^{2}}}}} v:物体の速さ が求められる。ここで v = 0 とすると、E = mc2 という有名な公式を導くことができる。これが「質量とエネルギーの等価性」を示しているのである。また、v/c が 1 より充分小さいとき、2 次のテイラー展開より、 E ≃ m c 2 + 1 2 m v 2 {\displaystyle E\simeq mc^{2}+{\frac {1}{2}}mv^{2}} が成り立つ。この右辺の第 2 項がニュートン力学における運動エネルギーに対応する。第 1 項は定数であるため、この定数分を引いたものを新たに系のエネルギーとして定義することができる。そのため、この結果は速度が充分小さい運動について非相対論的な理論と一致していることを示す。
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他の物理量との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 09:13 UTC 版)
近年、空気衝突カーマ(collision air kerma:単位グレイ(Gy)。1 Gy = 1 J/kg)を照射線量の代わりに用いる例が増えている。空気衝突カーマは、厳密には照射線量の電離電荷密度を電離過程で消費したエネルギーの密度に換算した量ではないが、エネルギーが数keV未満や数MeV以上のX線を除き、両者の数値的な差異は1%未満なので、同一視が可能である。「(空中)空気吸収線量:absorbed dose in free air」という用語を用いる例があるが、空気中では二次電子平衡の状態が確定しないので、照射線量や空気衝突カーマが同じ値をとる場所でも、空気の吸収線量はさまざまな値をとり得るので、適切な用語ではない。
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