人間文化との関わり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 21:05 UTC 版)
「ハイパーソニック・エフェクト」の記事における「人間文化との関わり」の解説
以下のような楽器がハイパーソニック・エフェクトを強く発現させる代表例に挙げられる。 ガムラン チェンバロ 琵琶 尺八 楽器ではないが、熱帯雨林 いずれも可聴域外の音成分を多く含み、かつ豊かな時間的変化構造を持つ。ピアノやフルートといった西洋楽器はこうした特徴とは逆に、音を遠くまで聴かせるためにエネルギーを基音近くに集中させ、可聴域内に収まった整った音に進歩してきたとされる。 またバリ島の祭礼で使われる獅子舞に似たバロンの演者は、至近距離で鈴や獅子頭の噛み合わせ音(ハイパーソニック・サウンド)を裸の体に浴びることで、他の参加者に率先してトランス状態に入っていくという。こうした楽器と演者の関係や、社会的な音楽利用といった人類学的なアプローチでもハイパーソニック・エフェクトは考察の対象になっている。 市街地でのアメニティに対する試みとしては、文部科学省の産学官連携イノベーション創出事業「脳にやさしい街づくりのための超高密度メディア技術の研究開発」の一環で、2005年に滋賀県彦根市四番町スクエアに世界初のハイパーソニック・サウンドによるサウンドスケープが設置された。 芸術的観点からオーディオ鑑賞でハイパーソニック・エフェクトを享受しようとする試みもある。44kHzのサンプリング周波数を持つCD-DA規格では、理論的にはナイキスト周波数の22kHzまでしか再生できないが、このCD-DAとレコードの転換期における違和感がハイパーソニック・エフェクトの研究の発端となった。Super Audio CD(SACD)やDVDオーディオなどのハイレゾリューションオーディオ規格であれば、100kHz近くまたはそれ以上の音を再生することができる。ただし、2006年での日本機械工業連合会とデジタルコンテンツ協会の共同調査研究では、民生用SACDプレイヤーの多くでは50kHz以上での帯域制限の特性がみられ、民生用スーパーツイーターでは技術仕様に100kHzまでと書かれていてもフラット特性で実測再生できるものは稀であったという報告がある。 メディア報道においては、超高周波を聴くと頭が良くなるといった拡大解釈が行われることもある。ノンフィクション作家の川端裕人はこうした研究報道の難しさに言及し、研究途上であるハイパーソニック・エフェクトが、健康に対する万能論や、行き過ぎた自然回帰志向として解釈されないよう注意すべきだろうとしている。 「人間!これでいいのだ#論文無断使用問題」も参照
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