人的・資本とは? わかりやすく解説

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じんてき‐しほん【人的資本】

読み方:じんてきしほん

労働者が身につけた知識・技能能力など資本みなしていう語。教育・訓練経験によって個人蓄積され労働生産性の向上や賃金の上昇などに影響与える。ヒューマン‐キャピタル


ヒューマン・キャピタル

(人的・資本 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/23 08:31 UTC 版)

ヒューマン・キャピタル: human capital)は、人間が持つ能力(知識技能)を資本として捉えた経済学(特に教育経済学)の概念。人的資本と表現されることもある。具体的には、資格学歴として測定される。初期の経済学では単に労働力労働として捉えられていた。

概念

アダム・スミスは道具や器具、建物、土地とともに、固定資本の1つとしてヒューマン・キャピタルをあげている。彼によれば、ヒューマン・キャピタルとは人生経験によって育まれる技能 (skill) や器用さ (dexterity)、判断力 (judgement) である。全国レベルで見れば、ある国においてリーダーから学習する能力はヒューマン・キャピタルの蓄積によるものだといえる。その上、正式な学校教育OJTを通してヒューマン・キャピタルは獲得できるとした。なお、スミスによれば、ヒューマン・キャピタルと生産的労働力はともに分業に依存したものであり、分業とヒューマン・キャピタルの間に複雑な関係を見出している。

その後、「ヒューマン・キャピタル」という用語が登場するのは、経済開発に関わって書かれたA.W.ルイスの著書『労働の無制限な供給への経済開発』("Economic Development with Unlimited Supplies of Labour", 1954) たと言われている。「ヒューマン・キャピタル」という用語は当初不評であったが、議論の中でアーサー・セシル・ピグーが「物的資本と同様、人的資本 (ヒューマン・キャピタル) への投資も重要だ」と述べることで初めて注目されるようになった。また、現代の新古典派経済学においても、1958年に「Journal of Political Economy英語版」で掲載されたジェイコブ・ミンサーの先駆的な記事『人的資本と所得分布への投資』で登場している。

「ヒューマン・キャピタル」を用いた経済学者で最もよく知られている人物は、先述のミンサーとシカゴ学派ゲーリー・ベッカーである。1964年に発行されたベッカーの著書は、何年間も増刷されるほどの標準的な参考書となった。ベッカーによれば、ヒューマン・キャピタルは工場と同じ「物理的な生産手段」であり、また訓練教育、医学治療といった形の投資が可能なものである。そして、人の生産能力は労働への見返りの速度に依存する。したがって、ヒューマン・キャピタルは生産の手段であり、追加出資は追加出力をそれにもたらす。ただしヒューマン・キャピタルは、代理が可能ではあるものの、土地や労働、固定資本のように移転可能ではない。

知識 (knowledge)と資本 (capital)

ヒューマン・キャピタルを考える際に用いられる「知識 (knowledge)」という言葉は、非常にユニークな形で説明、定義づけされる。労働力(および生産におけるこれ以外の要素)とは異なり、「知識」とは、

  • 拡大することが可能 (expandable) であり、利用することにより自ら発展していく(self generating with use)。
  • 移動可能 (transportable) であり、共有可能 (shareable) である。

参考文献

  • Samuel Bowles & Herbert Gintis, "The Problem with Human Capital Theory--A Marxian Critique", American Economic Review, vol. 65(2), pages 74-82, (1975)
  • Gary S. Becker (1964, 1993, 3rd ed.). Human Capital: A Theoretical and Empirical Analysis, with Special Reference to Education. Chicago, University of Chicago Press. ISBN 978-0-226-04120-9  (UCP descr)

関連項目

外部リンク


人的資本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 15:10 UTC 版)

資本経済」の記事における「人的資本」の解説

生産性寄与する個人教育によって形成され能力・技能などの資本

※この「人的資本」の解説は、「資本経済」の解説の一部です。
「人的資本」を含む「資本経済」の記事については、「資本経済」の概要を参照ください。

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