二重経済モデル
二重経済モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 00:00 UTC 版)
詳細は「二重経済モデル」を参照 二重経済モデルは、経済を単純に2つの部門に分けて分析するモデルである。アーサーは発展途上国の経済を伝統的部門(低賃金で無制限に近い労働供給がある部門)と近代的部門(大量の資本がある部門)とに分けて分析する二重経済論を考案し、伝統的部門からの無制限労働供給によって、一定の賃金水準において労働供給曲線が無限に弾力的になると説明した。特に余剰労働力を用いたインフラ投資が鍵を握るとして、政府による積極政策の必要性を説いた。 二重経済論はその後、ジョン・フェイやグスタフ・レイニスらによって、新古典派経済学の視点からモデル化されている。
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二重経済モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 23:50 UTC 版)
経済発展は、伝統的産業(農業など)から労働生産性のより高い近代的産業(製造業など)へ労働力が移動することによって達成されると主張する。アーサー・ルイスによる議論が元になっている。 この議論では発展途上国の伝統的産業は効率が悪く余剰労働者数が高いと考えられ、この余っている労働者を近代的産業が伝統的産業より少し高い賃金を設定することによって労働力を伝統的産業から近代的産業へと移動させる。近代的産業は従来の伝統的産業よりも高い利益をあげることができ、その利益をまた近代的産業に投資し拡大することによって、近代的産業の労働力需要が増え、さらに労働者を伝統的産業から移動させていくことができる。こうして伝統的産業の労働者数を減らすことにより、伝統的産業は自ずと効率化を強いられ、結果的に労働力を最も効率良く分配することが可能になる。 しかしながらこの議論には問題が多少ある。最初の問題は発展途上国の近代的産業はあまり効率がよくないことだ。例としては家族経営の事業などがある。発展途上国では家系で代々継がれているお店や小さな売店などが多々ある。このような場所では商品を売る際にその場にいる労働者が全員で働くことはあまりない。つまり近代的産業に無駄が生じているわけであり、投資をしたり、労働力を伝統的産業から必要としていないことになる。この場合この議論では国は発展できない。 また次の問題として、発展途上国では伝統的産業がもともと効率が高くなっている場合がほとんどである。発展途上国での農民はすでに貧困状態であり、それを解消するために伝統的産業の効率があがっているからである。この場合この議論による伝統的産業の効率化はおこらず、貧困の原因は効率性ではなくその資力である(農民の場合、所有している耕地面積)。 最後の問題は政治的な問題である。この議論は一方的に近代的産業を支援し、伝統的産業に効率化を強いるため、伝統的産業家(農家など)と近代的産業家が対立することは避けられず、これらをまとめ上げるのもまた非常に難しいとされる。
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