人工栽培に関してとは? わかりやすく解説

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人工栽培に関して

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/02 08:27 UTC 版)

キンラン」の記事における「人工栽培に関して」の解説

キンラン人工栽培きわめて難しいことが知られているが、その理由一つキンラン菌根への依存性の高さが挙げられる園芸植物として供させるラン科植物の菌根菌ラン科限ってラン菌英語版)という言葉習慣的に用いられる)はいわゆるリゾクトニア(英語版)と総称される落ち葉倒木などを栄養源にして独立生活している腐生菌である例が多い。ところがキンラン養分依存している腐生菌ではなく樹木の根に外菌根形成するイボタケ科、ベニタケ科担子菌門)などの菌種である。外菌根多く腐生能力欠き炭素源を共生相手樹木から得、一方で樹木へは土中ミネラル等を供給し共生している。キンランはその共生系に入り込み養分収奪生育している。 ラン科植物多かれ少なかれ菌類から炭素源(糖分など)や窒素源(アミノ酸など)を含めさまざまな栄養分菌根菌依存している。への依存度はラン種類によって異なり、成になればに頼らなくても生きていける種類独立栄養性種=栽培できる有葉ラン)から、生涯通じてほとんどすべての栄養分依存する種類菌従属栄養性種=一般に腐生ラン’と総称される)までさまざまな段階がある。本種の依存度は独立栄養植物菌従属栄養植物中間混合栄養性植物)で、坂本らの調査によれば本種は炭素源の3443%、窒素源の約49%をから供給されており、同属ギンランでは炭素源の4859%、窒素源の90%以上と、さらに高い依存度を示している。 このような性質から、キンラン属菌類との共生関係乱され場合、ただちに枯死することは無いが長期的に生育することは困難になる。そのため、自生地からキンランのみを掘って移植して5年程度枯死してしまう。外生菌根菌根共生するラン科植物多くあり、キンラン同様に里山生育するオオバノトンボソウ(ノヤマトンボソウ)も同様の性質を持つ。 理論上菌根性樹木菌根菌キンラン三者共生系を構築すれば栽培が可能である。実際Yagame and Yamato2013)は、キンランからイボタケ科の菌根菌分離培養後、外生菌根性の樹種であるコナラの根に分離接種し菌根形成させ、そこへ無菌培養条件下で種子発芽からまで育てたキンラン寄せ植えし、30ヶ月育成させることに成功している。この実験では、植え付けたキンラン多く地上部形成せず、根のみを伸長させ生育する様子観察されている。この現象から、キンランが高い菌従属栄養性有することがわかる。しかし、このキンラン菌根菌(イボタケ科)・樹木コナラ)の3者共生系の構築は①菌根菌分離培養、②菌根菌樹木への接種、③安定した共生系の維持(ほかの菌根菌コンタミネーション防止)といった技術解決しなければならない問題点多く一般家庭で行うことは困難である。自然環境中に外菌根6000程度存在しキンラン生育する環境下にも多様な外生菌根共存していると考えられるその中でキンラン養分供給する菌種限られているため、単純にキンラン樹木寄せ植えにしても、その樹木キンラン共生関係成立させうる外菌根共生してなければキンラン生育させることはできない

※この「人工栽培に関して」の解説は、「キンラン」の解説の一部です。
「人工栽培に関して」を含む「キンラン」の記事については、「キンラン」の概要を参照ください。

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