人工呼吸器の調節とは? わかりやすく解説

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人工呼吸器の調節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/11 10:12 UTC 版)

呼吸困難」の記事における「人工呼吸器の調節」の解説

前項では患者情報が不十分でも人工呼吸器導入可能な無難な設定示したが、このままでは長期管理難しく各種パラメータ調節が必要である。なお、患者情報が十分あれば、はじめから調整された値で人工呼吸器導入を行う方が安全である。設定適切でない場合ファイティングバッキングによって十分な換気得られなくなる。 吸気酸素濃度(FiO2) 人工呼吸器導入直後原則としてFiO2は1.0とする。これはリークをはじめとした回路トラブルを防ぐ目的がある。呼吸器正常に作動しており酸素濃度低下認められないうならば酸素飽和度モニタリングしながらFiO2を下げていく。FiO2が1.0場合3時間もすると肺胞障害が始まるといわれている。FiO2が0.6となると3日ほどは肺障害免れる。FiO2が0.4程度になれば、長期間理も可能になる。なおPaCO2貯留人工呼吸器呼吸ができていれば神経質になる要はない。明らかなバッキングファイティング認められ場合調節を行う。 一回換気量と換気回数 一回換気量は6~10ml/Kgであり、呼吸数拘束性障害であれば1425回/min,閉塞障害であれば6~12回/minが良いと言われている[誰によって?]。病態不明ならば1回換気量450mlで呼吸数15回/minというのは無難な値である。SIMVで自発呼吸によって呼吸数異常に多い場合アシドーシス代償気胸片肺挿管可能性があるため、X線写真評価を行う。このような原因見当たらなければプレッシャーサポートの圧を上げたり鎮静深くするといった対応が考えられるPEEP PEEPとは呼気終末陽圧のことである。人工呼吸依存患者ではPEEPがないと呼気終末遠位気道虚脱が起こると考えられている。原則としては肺障害ない場合必要がないが、肺障害程度によってPEEP酸素化改善目的用いられるPEEPに関して血圧余裕ない場合除いて3~5cmH2Oが無難であると考えられている。この値が生理的なPEEPであるとかつては考えられていたためである。2008年現在、生理的なPEEP存在せずPEEPによる肺障害可能性なども検討されているがコンセンサス得られていない最小限PEEPleast PEEP,best PEEP,agressive PEEPという様々な考え方存在するARDSなどではPEEPを20cmH2Oほどかけることもある。 プレッシャーサポート圧 プレッシャーサポート換気とは自発呼吸時に患者作り出す陰圧反応して設定したプレッシャーサポート圧吸入ガス供給する換気法である。患者吸気流量最大吸気量の25%未満となった場合は圧の負荷停止するというものである患者自発呼吸によって吸気時間吸気量は決定される自発呼吸増強のための呼吸モードである。かつては血液ガスデータをより改善すれば、状態は良くなる考えられていたためプレッシャーサポート換気重要視されなかったもののARDS気管支喘息に対して愛護換気によって気胸などの合併症激減したことからその他の疾患でも用いられるようになってきている。PS10~15cmH2Oで至適横隔膜負荷と言われている[誰によって?]。30cmH2Oとなると横隔膜仕事が0になるといわれPS最大値考えられている。 ファイティングの対応 ファイティングとは患者呼吸リズム人工呼吸換気パターン同調しない状態をいう。回路チューブ閉塞リーク不適切人工呼吸器設定の他、気胸喘息肺塞栓気道内分泌物、呼吸状態のさらなる悪化不安な患者因子によっても起こりえる。原因同定できなければ鎮静薬増量検討する

※この「人工呼吸器の調節」の解説は、「呼吸困難」の解説の一部です。
「人工呼吸器の調節」を含む「呼吸困難」の記事については、「呼吸困難」の概要を参照ください。

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