交響曲の形式を決定する言葉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/18 14:25 UTC 版)
「合唱交響曲」の記事における「交響曲の形式を決定する言葉」の解説
ラフマニノフの合唱交響曲である『鐘』は、ポーの詩にある幼少期から結婚、成熟、死という4部から成る進行を反映している。ブリテンは『春の交響曲』においてパターンを逆にして見せた - 交響曲の4つの部分は存在するが、作曲者の言によると「冬から春への進行、そしてそれがもらたす大地と生命の目覚め(中略)交響曲の伝統的4楽章制に収まっていますが、楽章は同じような雰囲気や視点により結合された小さなセクションに分割されています。」 ショスタコーヴィチの交響曲第13番『バビ・ヤール』の誕生はいささか複雑であった。彼はエフゲニー・エフトゥシェンコが著した詩『バビ・ヤール』を読了後ほとんど間を置かずに曲を書いたが、当初は単一楽章の楽曲にしようと考えていた。エフトゥシェンコの詩集『Vzmakh ruki』から他に3編の詩を見出したことに後押しされた彼は完全長の合唱交響曲へと進んでいき、「出世」を終楽章に置くことになった。音楽学者のFrancis Maesがコメントするところでは、ショスタコーヴィチはこれを行うためにソビエトによる他の虐待に関するエフトゥシェンコの韻文により『バビ・ヤール』の主題を補完したという。「『商店で』はこの上なく基本的な食糧を購入するのに、何時間も経って列に並ばなければならない女性たちへの賛辞であり(中略)『恐怖』はスターリンの下での恐怖を呼び起こす。『出世』は官僚に対する非難、そして真の創造性への賛歌である。」音楽史家のボリス・シュヴァルツは、ショスタコーヴィチが配置した順序通りに、詩が力強く劇的な開始楽章、スケルツォ、2つの緩徐楽章とフィナーレを形作っていると付け加えている。 他に、テクストの選定が作曲者を異なる交響曲形式へと導く場合もある。ハヴァーガル・ブライアンは『勝利の歌』(Das Siegeslied)という副題を付けた交響曲第4番を、テクストに用いた詩篇第68篇の3部構造によって語らせることにした。13-18行目を用いて作曲されたソプラノ独唱と管弦楽のための音楽が静かな間奏曲となり、大合唱とオーケストラの力を用いて書かれた、規模が大きく非常に半音階的な両端楽章の間に位置している。同じく、シマノフスキは交響曲第3番『夜の歌』において、13世紀ペルシアの詩人ジャラール・ウッディーン・ルーミーのテクストを使用しており、ジム・サムソンはこれを「単一の3部構成楽章」、また「全体としてのアーチ構造」と呼んだ。
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