予定価格の算定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 07:47 UTC 版)
業務担当者が積算基準や各種価格資料(価格調査月刊誌、業者見積、公共工事設計労務単価等)に基づいて積算を行ない、契約担当官等が積算額に基づいて予定価格を決定する。通常は積算額=予定価格となる。価格は国税通則法などで取り扱う金額のように千円単位や万円単位に端数調整処理を施している。ただし、切り捨てでの調整で端数処理の他、不適正な値切りとされる歩切りが2014年の「担い手三法」改正によって禁止が明記されるまで、長い間実施されていた。このため、予定価格を設計算出額そのまま使用するように変更が成されていくこととなった。 積算には次のような方式がある。 市場価格方式 原価計算方式 市場価格方式による予定価格の決定は、過去の納入実績や取引実例、参考見積書などを元に値引率を調査し、定価(希望小売価格)から値引額を引いた価格を予定価格とする。官公庁の契約手続きの中で一番多いのは物品購入契約であるが、これには市場価格方式が活用されている。 国の工事を対象とする予算決算及び会計令では、公共工事の場合に発注者は競争入札を行う工事について、予決令七十九で価格を仕様書、設計書等を定め積算を行い、その予定価格を作成するように定めている。 一方、地方自治法といった法令には同様の規定はないが、地方公共団体が定める財務規則、契約事務規則等において予定価格に関する規定が設けられている。 設計書(金入り設計書。予算書)の例について、たとえば、国土交通省北陸地方整備局の土木系(河川工事や道路工事等)請負工事で、設計要領(共通編)第2章 設計書の作成要領によると、設計書は、大きく分けて(1) 工事名、場所、工期と設計内容など、設計説明概要を記述した鏡。 (2) 工事区分(費目)、工種、種別、細別、規格、員数(数量及び数量増減)、単価、金額(金額増減)、摘要等を表整理した工事費の内訳表(設計内訳書)。 (3) 内訳書、 (4) 単価表の4区分で構成されている。同整備局の様式をみると、電算用と手書き用で様式を使い分けている。 添付される内訳書は一括で金額を算出したものの内容について記載した明細書の表で、単位は一式(一式内訳書という)。単価表(あたり単価表)は、立法メートルあたり、平方メートルあたりなど単位当りで金額を算出したものの内容について記載した明細書の表で、単価表は設計単価を計算するため、その算出金額は積算基準に定めた単価の端数処理を施している。各単価表にて求められた当該工種のあたり単価を所要数量(設計数量、出来高数量)で乗じて、金額を算出。設計内訳書に記載される。 一式内訳書は出来高数量をともなわない項目(工種)で、端数処理を施さない合計金額が表示される。そのまま金額が設計内訳書に記載される。 工事発注の執行には、当該組織の本官もしくは分任官に設計書附属書類を揃えてから施行承認が必要となる。施行承認に必要な設計書附属書類とは設計関係図書・施行伺(金抜き設計書、特記仕様書、図面類。他に工程表、数量計算書関係、など)である。
※この「予定価格の算定」の解説は、「予定価格」の解説の一部です。
「予定価格の算定」を含む「予定価格」の記事については、「予定価格」の概要を参照ください。
- 予定価格の算定のページへのリンク