中学受験の現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 16:14 UTC 版)
中学受験が盛んな地域は、首都圏、関西圏(主に京阪神)をはじめとする大都市圏である。 国立中学は、東京と大阪、広島以外は各都道府県に分散している。対して私立中学は、2020年度時点では、日本に782校あるうち、首都圏では東京都188校、神奈川県64校、埼玉県31校、千葉県25校と1都3県で308校と全体の39%を占める。京阪神では大阪府63校、兵庫県43校、京都府26校と2府1県で132校に上り、全体の17%を占めている。 そのため、中学受験に対する情報量には地域によって差がある。都市部では小学生の半数以上が中学受験する地域もあれば、郊外などで皆無やそれに近い地域がある。地域によっては小学生の大部分が国私立中へ進学するため、地域の公立中学が大幅な定員割れを起こす地域もある。また、そもそも中学受験という選択肢自体を知らない人が大半という地域も多い。 中学校は義務教育であり、小学校では、一部の私立小を除き、中学受験を前提にしていないカリキュラムが組まれる。そのため、一般には、塾や個別指導なしに有力な中学校に合格するのは無理といわれており、進学後の学費だけでなく塾や個別指導の学費も必要である。 したがって、中学受験は、教育の機会均等を奪っているのではという指摘もある。 質の高い小学生が中学受験で他地域の中学へ流れ、無試験である地域の公立中学校の質の低下を見たときに、いっそう中学受験が過熱するのではという指摘もある。 21世紀に入り、全国の一部の公立高校で附属中学を設置したり、中等教育学校に改組する学校も出てきた。公立中は機会均等のために、選抜の段階においても学力検査を行わない建前になっており、入試に当たるものは実際には「受検」「適性検査」、作文、面接などとしている。出題形式は知識の暗記を積み重ねたものでなく、科目横断型、記述式が特徴で、国私立中の入試とは大きく形式が異なる。一見機会均等に見えるが、難関私立中学に合格する程度の学力が必要との指摘もある。入試倍率が10倍を超える公立中高一貫校もある。 公立中高一貫校の数は、地方自治体の取り組みや方針によって差がある。
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