世界遺産条約批准と過去の世界遺産推薦とは? わかりやすく解説

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世界遺産条約批准と過去の世界遺産推薦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/05 09:29 UTC 版)

パレスチナの世界遺産」の記事における「世界遺産条約批准と過去の世界遺産推薦」の解説

パレスチナ国際連合では正式な加盟国になれていないが、ユネスコでは2011年10月31日に、総会での採決賛成107か国、反対14か国、棄権52か国)を経て正式な加盟国として承認された。そして、世界遺産条約2011年12月8日批准したパレスチナ場合ヨルダン川西岸地域文化財など世界遺産として登録することで、その物件の所在地領有権国際的に承認させるという狙いがあるとされ、ユネスコ加盟直後にはパレスチナ高官が早速ベツレヘム聖誕教会皮切りに次々と文化遺産推薦する意向表明していた。 そして、その発言どおり、翌年3月8日聖誕教会中心とする文化遺産イエス生誕の地 : ベツレヘム聖誕教会巡礼路」を世界遺産暫定リスト記載した通常世界遺産リストへの推薦毎年2月1日までに行われ、それを踏まえて翌年半ば頃に開催世界遺産委員会審議されるのが普通である。聖誕教会はそれと異な手続き、すなわち「緊急案件」として推薦された。緊急案件としての推薦は、過去バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群アフガニスタンの世界遺産)、バムとその文化的景観イランの世界遺産)などで適用されことがあるパレスチナ緊急案件として推薦した理由は、緊急に対処必要な破損状況生じていることなどであった。 この推薦を受け、世界遺産委員会諮問機関である国際記念物遺跡会議 (ICOMOS) は、世界遺産として顕著な普遍的価値を持つ可能性認めつつも、「不登録」を勧告した。これは、緊急性否定し通常の手続きで再推薦するように求めたのだった聖誕教会と同じ年には、フランスのショーヴェ=ポン・ダルク洞窟緊急案件として推薦され、こちらも同様の「不登録」勧告受けており、フランスの場合勧告踏まえて取り下げていた(2年後通常の手続きで正式登録)。パレスチナ取り下げるという事前の予想もあったが、実際にそのまま第36回世界遺産委員会審議臨んだ。その審議では、顕著な普遍的価値があるかどうか争点とならず緊急案件として妥当かどうかだけが争点となった委員会では秘密投票持ち込まれ賛成13票、反対6票、棄権2票となり、規定にある21委員国の有効投票19票)の3分の2以上を満たしたことで、登録が承認された。なお、投票内容公表されていない同時に危機遺産リストにも登録された。 聖誕教会の登録を受け、アメリカの代表は失望表明しイスラエルの代表も決定批判したイスラエルの首相ベンヤミン・ネタニヤフ声明発表し、その決定政治的なのであるとして非難したパレスチナユネスコ加盟によって、アメリカ国内法基づいてユネスコ分担金支払い世界遺産基金への拠出停止しており、この世界遺産では、そうした予算面の対応について話し合われた。 パレスチナ聖誕教会の登録を受けて当初の予定通り、それに続く文化遺産群の推薦目指していく意向示していた。そして、2014年1月30日エルサレムの南にあるバティール農業景観推薦したパレスチナは、イスラエル建設進めているテロ対策名目分離壁拡大計画によって、長い伝統を持つバティルの段々畑破壊される懸念があるとして、緊急案件での審議求めた。これに対すICOMOS勧告は、顕著な普遍的価値の証明自体が不十分である上に、緊急性認められないとして「不登録」を勧告するのだったパレスチナ2年前と同じように「不登録」勧告受けて取り下げず審議臨んだ。そして、第38回世界遺産委員会ではまたも投票持ち込まれたが、登録が認められ危機遺産にも同時登録された。

※この「世界遺産条約批准と過去の世界遺産推薦」の解説は、「パレスチナの世界遺産」の解説の一部です。
「世界遺産条約批准と過去の世界遺産推薦」を含む「パレスチナの世界遺産」の記事については、「パレスチナの世界遺産」の概要を参照ください。

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