世界における平均身長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:36 UTC 版)
詳細は「List of average human height worldwide」を参照 他の統計データと同様に、平均身長のデータの正確性は様々な理由で疑わしい場合がある。 研究によっては測定者が測定することなく、被験者に自身の値を測定させ自己申告させることがある。一般的に自己申告された身長は、測定された身長よりも高くなる傾向があるが、身長の過大評価は身長を報告する被験者の身長、年齢、性別、および地域によって変化する。 被験者は無作為に選ばれたものではなく有為抽出された可能性があり、その結果、サンプリング・バイアスが生じている。 国によっては、地域間の身長格差が大きい場合がある。例えば、ある調査では、ドイツの最も身長の高い州と最も身長の低い州の間に10.8cmの差があることが示されている。このような状況下では、異なる地域グループの加重平均を用いて、すべての地域から適切にサンプルを採取しなければ、平均身長は総人口を代表するものではない可能性がある。 社会集団によって平均身長が異なることもある。フランスの調査によると、エグゼクティブや専門職の身長は全国平均より2.6cm高く、大学生の身長は全国平均よりも2.55cm高くなっている。この事例が示すように、特定の社会集団から得られたデータは、国によっては総人口を表していない場合がある。 比較的少数のサンプルが測定されている可能性があり、このサンプルが正確に全人口を表しているかどうかは不確かである。 人の身長は、測定の直前に行われた運動による身長の増加(通常は逆相関)や、かなりの時間に渡って横になってからの身長の増加(通常は逆相関)などの要因により、1日の間に変化することがある。例えば、ある研究では、朝にベッドから起きてからその日の午後4時から5時までの間に、100人の子供の身長が平均1.54 cm減少したことが明らかになっている。このような要因は、いくつかの研究ではコントロールされていない可能性がある。 ボスニア・ヘルツェゴビナ、オランダ、クロアチア、セルビア、モンテネグロの男性は、平均身長が最も高い。データによると、ヘルツェゴビナ人はオランダ人よりも5.08cm以上高い身長を持つ遺伝的潜在能力を持っていることが示唆されている。オランダでは男性の約35%がY ハプログループI-M170の遺伝的プロファイルを持っているが、ヘルツェゴビナではその頻度は70%異常となっている。この遺伝的傾向線を外挿してみると、ヘルツェゴビナの平均的な男性の身長は190 cmになる可能性があることがわかっている。一方で、多くのヘルツェゴビナ人は貧困のために身長が190 cmの高さに到達していない(ボスニア・ヘルツェゴビナの市民は、両親の両方が大学に行った場合の身長が1.9 cm高く、これは裕福さの指標と考えられている)。イスラム教徒のヘルツェゴビナ人の平均身長が低いのは、主にそれが原因の可能性がある。 ディンカ族は身長が高いことで注目されることがある。ルワンダのツチ族とともに、彼らはアフリカで最も身長の高い民族であると考えられている。ロバーツとベインブリッジは、1953年から1954年に測定された52人のディンカ・アガーの平均身長が182.6cmであることと、227人のディンカ・ルウェンの平均身長が181.3cmであることを報告している。また、歴史的な身長データと栄養状態を比較した他の研究では、ディンカ族が世界で最も高い身長を持つ民族であるとされている。
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