ワクチンの接種回数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 14:14 UTC 版)
「ヒトパピローマウイルスワクチン」の記事における「ワクチンの接種回数」の解説
接種回数は当初3回が推奨されていたが、2回接種でも十分な効果があることが確認されたために、世界では2回接種が主流になっている。例えばイギリスでは女子の接種時期は12歳と13歳の2回であり、義務教育中に受けられなくても、25歳まで国民保健サービスで無料で接種可能となっている。ノルウェーの研究では2回接種を受けた9-14歳男女でのHPV抗体反応は、3回接種を受けた16-26歳女性に非劣性であった。また、国際がん研究機関(IRAC)の研究では、2010年4月にインド政府がHPVワクチンを用いる臨床試験の中止を行ったが参加者の追跡調査ではワクチンを1回接種の者も16型18型の感染予防効果は劣っていなかった。 HPVワクチンは1回の接種で高い効果が得られたと報告され、コスタリカでの成果はJournal of the National CancerInstituteで、ケニヤでの成果は2011年国際パピローマウイルス会議で発表があった。接種回数が少なくなればコストのワクチン供給の問題解決となることが報道されている。 アイルランドで娘のガーダシルの副反応被害を訴える保護者団体は、2015年国内でアメリカに先駆けて推奨回数を3回から2回に減らしたことについて、娘たちが3回目の接種で最も影響を受けていたため世界中で同様の変更が行われないことに怒りと疑問を感じた。アメリカでもその後2017年に全面的な変更が行われた。 一方、日本では処方箋医薬品として認可されている2価ワクチンのサーバリックスは、10歳以上の女性に3回接種、4価ワクチンのガーダシルは9歳以上の女性に3回接種と記載している。2021年11月の厚生科学審議会の部会でも接種回数の減数が安全性につながるのではとの意見が呈されている。 イギリスでは、15歳以上の人に3回の投与を続けるやむを得ない理由はなくと判断し3回から2回に変更した経緯があり、ワクチン接種と免疫化に関する合同委員会は2018年までさかのぼって1回の投与の可能性を確認していたが、同委員会は、HPVワクチンの2回接種から1回接種へのスケジュールの変更を助言する十分な証拠があることに同意している。9価ワクチンへの移行は2022年から開始される予定である。。 世界保健機関(WHO)は2022年、ワクチンの単回接種は、2回接種と同等の有効性があると発表したが、本公表はワクチン供給の限られる低・中所得国を念頭にしたものであり全ての国を対象として単回接種を推奨するわけではないこと、最終的に単回接種は子宮頸がんの予防効果があるかどうかは未判明との見解がある。
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