ロマン優光による総括とは? わかりやすく解説

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ロマン優光による総括

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 15:37 UTC 版)

鬼畜系」の記事における「ロマン優光による総括」の解説

2010年代以降SNS中心に鬼畜系功罪論じられるようになったが、その強烈な語感からイメージのみが先行し当時知らない層には政治的な正しさ観点から必要以上に悪く思われ否定的に扱われる節もある。 90年代サブカルについて無責任な放言跋扈することに強い危惧持ったロマン優光は、著書90年代サブカル呪い』(コアマガジン)で鬼畜系サブカル出自存在意義、および文脈失われた過程語義上の留意点について次のように総括している。 90年代というのは不思議な時代です。(中略建前道徳的な機能失っているのに、それはなかったことにして表面上だけ建前優先する世界綺麗事蔓延し綺麗なものしかメディアに出すことを許さない一方で本音部分では差別意識搾取精神溢れている。そんな時代です。当時ネットそこまで発達していない状況で、一般の人が汚い本音世間撒き散らせる環境はなかったため、表面上は建前コーティングされてました。(中略わかりやすく言うと、こういった社会に対して「そんな風に建前言っているけど、本当は汚い欲望いっぱいじゃないか世界こんなに汚いもので溢れている。お前ら覆い隠そうとしているような人間だって自分人生生きている」という風な異議申し立て側面があったのが、「鬼畜系」だったのです。 「鬼畜系」というものは90年代社会対すカウンターであり、それは当時の状況の中で一定の意義があったものでした。しかし、同時に当時人権意識低さから自由ではなかったし、本人たちの意図してない受け入れられ方を多くされていくことで、瓦解していったのです。 — ロマン優光90年代サブカル呪いコアマガジン2019年、30-31頁。 ここで忘れてはいけないのは、「鬼畜系」はあくまで反道徳性犯罪性の強いものを考察してたり、語ってたりするものを消費する文化であって表面上に見られる読者へのあおりも基本ポーズであり、犯罪犯すこと、反道徳的行為実行すること自体指していたり、それをみだりに推奨していたわけではないということです。そこは注意するべきところだと思います。 — ロマン優光90年代サブカル呪いコアマガジン2019年12-13頁。 また「鬼畜系」の派生となった悪趣味系」についてロマン次のように定義した90年代サブカルにおける悪趣味系というのは「価値のないもの、取り上げるに値しないものと見なされているものを、俎上にのせ再評価していくこと」をポップな文脈で楽しむという行為と、薬物死体殺人者などの情報即物的に楽しむという行為二つ混合されムーブメントです。(中略視点位置変えることで対象新しい意味を付加していき、それをポップなものとして提示するのが通例であり、「世間的に悪趣味な存在と見なされているもの」、「それを好むと世間的に悪趣味だみなされるものを好むこと自体」をその対象選んだのが悪趣味ということです。悪趣味なことを実践していくことが目的ではなく世間では悪趣味とされているようなものや行為を取り上げることに主眼がおかれているムーブメントだと考えれば、そう間違ってないのではないでしょうかね。 — ロマン優光90年代サブカル呪いコアマガジン2019年20-21頁。

※この「ロマン優光による総括」の解説は、「鬼畜系」の解説の一部です。
「ロマン優光による総括」を含む「鬼畜系」の記事については、「鬼畜系」の概要を参照ください。

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