ロマン主義の理想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 09:12 UTC 版)
「ウィリアム・ワーズワース」の記事における「ロマン主義の理想」の解説
この詩の表現から分かる通り、ワーズワスは実在の郭公の声を聞いて、そこからヴィジョンやイメージやミステリ(神秘)を感応している。郭公という具体的な「鳥」の彼方に、魂に共鳴するヴィジョンを感受し、自然の崇高な奥深さにワーズワスは忘我の境地にある自己をうたうのである。 ロマン主義は、どこにもない、しかしどこかにある理想の世界や、境地を絶えず求めてやまない心情の発露として形象化される。『水仙に献げる詩』や『霊魂不滅のうた(Intimation of Immortality)』においても、ワーズワスは具体的な水仙や、森や野をうたいつつ、実はその彼方にある神秘的な心情の陶酔、どこにもないが、まさに「魂の深奥」に存在する「共感の歓喜」を讃美しているのである。
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