ロゼッタ起動後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 04:20 UTC 版)
「ロゼッタ探査機の経過」の記事における「ロゼッタ起動後」の解説
4月9日 - 地球のNew Norcia Stationに設置してあるアンテナを、ロゼッタのために使用可能な時間が、1日当たり11時間から7時間に制限された。これは火星探査機のマーズエクスプレスのミッション遂行を優先させたためである。 4月10日から4月15日 - 5日間かけて実施していた、ロゼッタとは独立して動作可能な、フィラエの健全性の確認も全て成功した。 4月15日 - ロゼッタの機器のARICEを再起動し、高電圧モードでの動作確認を実施した。また、この時点でのロゼッタの軌道は、太陽に接近する軌道であったため、ロゼッタに搭載してあるヒーターの設定について検討が行われた。 4月17日 - ALICEの紫外線の検出器を開口させるための火工品が、点火しなかったと、ロゼッタの管制官が発表した。平行して、原因の調査を行った。 4月21日 - 結局、本来の火工品の使用は諦め、バックアップの火工品を用いて、ALICEの紫外線の検出器を開口させた。 4月25日 - ロゼッタが地球に向けた姿勢を取り続けていた所、太陽からの熱の流入のせいで、ロゼッタのスラスターが異常高温に曝されている事が確認され、このままではスラスターが高温により破損しかねない事が判明した。このため、姿勢を変更し、地球と月を1枚の写真に収めるための撮影を断念した。しかしながら、ロゼッタのミッション全体から見れば軽微な事であって、ロゼッタの本来の大目的である、彗星や小惑星の探査は実施可能であると発表された。 4月30日から5月1日 - ロゼッタを使用した、初めての科学調査を実施した。それは、この時に太陽に接近していた彗星のC/2002 T7 (LINEAR)の撮影であった。 5月6日 - ロゼッタの軌道修正のための準備として、ロゼッタに装備されていた12箇所の火工品を点火した。これは問題無く実施できた。 5月10日 - 約3時間半にわたってロゼッタのスラスターを噴射し、これにより、152.8 (m/秒)の速度変化を発生させた。こうしてロゼッタにとって重要な軌道修正は、概ね成功した。 5月16日 - 5月10日の軌道修正の補正のための噴射を、17分間実施した。これにより、ロゼッタは正確に目標としていた軌道に乗った。 5月28日 - ESAは4月30日にロゼッタに搭載された光学観測カメラである、OSIRIS(Optical, Spectroscopic, and Infrared Remote Imaging System)で撮影した、C/2002 T7 (LINEAR)の高解像度の写真を公開した。これは彗星から約9.5 × 107 km離れた地点から撮影された写真である。 6月7日 - ロゼッタが惑星間航行を行うために必要な準備は全て終了し、ロゼッタは「Cruise Mode」へ移行。
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