ロシア音楽における業績とは? わかりやすく解説

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ロシア音楽における業績

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/10/10 13:31 UTC 版)

カッテリーノ・カヴォス」の記事における「ロシア音楽における業績」の解説

カヴォスはロシア・オペラの力強い唱道者であり、彼の円熟期オペラは、すべてロシア語台本によって作曲されている。 イギリスロシア史研究者オーランド・ファイジーズ(en:Orlando Figes)によれば1803年ロシア皇帝アレクサンドル1世公設劇場支配しボリショイ・カーメンヌイ劇場にカヴォスを配置するまで、ロシアオペラ劇場ではイタリア・オペラしか上演されていなかった。カヴォスはボリショイ・カーメンヌイ劇場をロシア・オペラの拠点とし、『勇士イリヤー』(1807年)をはじめとするロシア国民的英雄テーマにしたオペラ作品書いた。 カヴォスはロシア並びにウクライナ民俗音楽から強い影響受けており、後にロシア・オペラに強く特徴づけられることになる愛国的伝説的な要素取り入れた最初作曲家となったロシア国民楽派基盤となるロシア音楽の「国民性」は、イタリア人であるカヴォスによってもたらされといえるロシア愛国的なテーマ扱ったカヴォスのオペラに『イヴァン・スサーニン』(1815年)があり、ここで描かれるのは、ロマノフ朝最初皇帝ポーランド人から救った英雄物語である。これは、20年後にミハイル・グリンカオペラ皇帝に捧げた命』(1836年)で復活させたのと同じテーマだった。 また、ステパン・ダヴィドフとの共作による『レスタドニエプルルサールカ四部作は「お伽噺オペラ」のジャンル形成してヴェルストフスキーやグリンカへと橋渡しする役割果たしたイギリスの音楽批評家ジョン・ワラック(en:John Warrack)はカヴォスの業績について次のように述べている。 カヴォスのオペラロシア主題描いている。寓話作家イヴァン・クルィロフ台本担当した勇士イリヤー』は、エカチェリーナ2世台本執筆した『フェヴェーイ』に連なるロマンティック魔法オペラであるとともにグリンカの『ルスランとリュドミラ』を予想させる。『火の鳥』1822年)で扱ったオリエンタリズム要素は、後にロシア領土拡大とともに流行し、『ルスランとリュドミラさらにはボロディンオペライーゴリ公』につながっていった。 カヴォスのオペラ主たる台本作者は、帝室劇場監督アレクサンドル・シャホフスキーであり、シャホフスキーによるオペラ・ヴォードヴィル『コサック詩人』(1812年)のテクストは、当時愛国的な感情をかき立て、さらに『イヴァン・スサーニン』(1815年)は、フランスで流行した救出オペラ」に多く依っている。 グリンカがイヴァン・スサーニンを主題とするオペラ皇帝に捧げた命』を作曲したのは1836年であり、このとき初演指揮務めたのはカヴォスだった。カヴォスは『皇帝に捧げた命』によって自作オペラ取って代わられるだろうと潔く認めたものの、彼の『イヴァン・スサーニン』は1854年まで帝室劇場レパートリー残っていた。 — ジョン・ワラック

※この「ロシア音楽における業績」の解説は、「カッテリーノ・カヴォス」の解説の一部です。
「ロシア音楽における業績」を含む「カッテリーノ・カヴォス」の記事については、「カッテリーノ・カヴォス」の概要を参照ください。

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