ルイスの非ニュートン力学とは? わかりやすく解説

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ルイスの非ニュートン力学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 10:19 UTC 版)

ルイス=トルマンの非ニュートン力学」の記事における「ルイスの非ニュートン力学」の解説

アインシュタイン上記電磁場相対性に関する理論発表後同年それを発展させ、"Ist die Trägheit eines Körpers von seinem Energieinhalt"(「物体慣性はそのエネルギー依存するか?」)において、エネルギーの差と質量の差の間に成り立つ関係式 Δ m = Δ E c 2 {\displaystyle \Delta m={\frac {\Delta E}{c^{2}}}} を近似式として導き出していた。 1908年化学反応における質量保存の法則成立に関するスイス化学者H. H. Landoltの研究導かれる形で、アインシュタイン同じくエネルギー質量の関係に関心持っていたアメリカ物理化学者ギルバート・ニュートン・ルイスは、論文"A Revision of the Fundamental Laws of Matter and Energy"(「物質とエネルギーに関する基本法則の一修正」)で、以下の輻射圧に関する運動量保存則に関する考察進め上記アインシュタイン導出とは全く独立異な仮定のもとで同じ関係を導出し、さらに質量物体固有であるという公理外したニュートン力学体系(ルイスの非ニュートン力学)を提案したルイスは、物体光線を受ける光の進行方向圧力または力を受けるという事実(輻射圧)をもとに、輻射線エネルギーと運動量を運ぶというジョン・ヘンリー・ポインティング意見賛同し光線が運ぶ運動量に関して運動量保存則成り立つとすれば物体光線から運動量受け取るのとは逆に等し運動量光線から失われているはずだと考えた。これを説明するため、一般に受け入れられていた光の理論ある光波動説をいったん忘れて光線中では質量をもつ”何か”光速度移動しているために光線エネルギーと運動量を持つとし、さらに、物体がその質量を持つ光線吸収してエネルギーと運動量を得るときは、この質量もまた得る、すなわち光線エネルギー吸収する物体質量増加する仮定した。つまり、この場合質量定数ではなく変量であると考えた。 この二つ仮定のもと、ルイスは、アインシュタインとは異なり近似式としてではなく精密な式として m = E c 2 {\displaystyle m={\frac {E}{c^{2}}}} を導き出した。この関係を認めれば、質量エネルギーの量に比例する、つまり、運動する物体運動エネルギーを得るのであるからその物体の質量速度とともに変化するはずである。そこで、ルイスニュートン力学における物体質量速度依存しないという公理替えて物体運動エネルギーを得るにつれて質量増加するということ公理置いて運動物体質量 m {\displaystyle m} とその静止しているときの質量 m 0 {\displaystyle m_{0}} の比が、物体速度 v {\displaystyle v} の光速度 c {\displaystyle c} に対する比を β = v / c {\displaystyle \beta =v/c} とするとき、 m m 0 = 1 1 − β 2 {\displaystyle {\frac {m}{m_{0}}}={\frac {1}{\sqrt {1-\beta ^{2}}}}} になることを導いた。この式によれば有限質量をもつ任意の物体速度増せば質量相対論的質量)が増し光速度与えることができれば相対論的質量無限大になる。したがって光線中で有限質量運動量そしてエネルギーをもち光速度移動する”何か”は、もしそれ静止しているか、もしくは光速度よりもわずかに小さ速度運動していればエネルギー運動量あるいは質量もたない結論付けた後年1926年になってルイスは、このアイザック・ニュートン以来光の粒子説復帰させるのである光線中を光速度移動する運動量エネルギー運び質量をもつ”何か”を光子photon)と名付けた

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