リスクへの脆弱性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 05:50 UTC 版)
過剰に東京に一極集中した結果、地震や洪水などの自然災害や、大規模な感染症の流行、テロや戦争などの大規模な争乱が発生すると、日本の首都機能が破壊されるという危険をはらんでいる。他の世界的な大都市であるニューヨークやロンドンなどの世界都市と比較すると、東京は地震の危険に常時さらされており、また横浜から千葉に至る東京湾岸地域は、いずれも地盤条件の悪い所に都市が発達しているため、地震による地盤の液状化や各種のライフラインの損傷などの重大な被害が発生する可能性がある。ミュンヘン再保険会社によれば、ハザード(Hazard:その地域を襲う災害)×エクスポーズド・バリュー(Exposed Value:その地域の経済的価値)×バルネラビリティー(Vulnerability:その地域でとられている災害対策)により得られる東京・横浜の災害リスク指数は700と、2位のサンフランシスコ市の200に比べ格段に大きい。 2006年には、東京湾沿岸の送電線が一箇所切断されたことにより、半日間首都機能が麻痺する2006年8月14日首都圏停電が発生した。首都機能の麻痺は経済活動に打撃を与える危険性が高いが、過密な東京都区部を避けて、近隣の神奈川県、埼玉県、千葉県、多摩地域などに移転する政府機関や企業もある一方、大企業の本社の地方移転は進んでいない。 また東京は太平洋側の平野部に位置するために、雪が少ないという気候的特徴を持っている。本来は災害に強いはずのインターネットも、ネットワークを相互接続するインターネットエクスチェンジが各地域には一応あるものの東京に一極集中しているため、脆弱であると指摘されている。 2011年3月に起きた東北地方太平洋沖地震とそれに付随した福島第一原子力発電所事故の影響(輪番停電など)により、東京圏は大混乱に陥った。 詳細は「東日本大震災」を参照 また、歴史的に見ても首都圏は大地震(南関東直下地震)が起きる可能性が非常に高く、今後30年以内に発生する確率が70%とされていたが、東北地方太平洋沖地震によって誘発される危険性が高まったとされる。なお、首都圏がある南関東はプレートの境界線に位置するため房総沖や相模沖(関東地震)など巨大地震の巣窟となっている。
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