ラキヤの種類と名称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/22 02:23 UTC 版)
「ラキヤ (飲料)」の記事における「ラキヤの種類と名称」の解説
原料となる果物の種類によって、さまざまなラキヤがある。 果物 セルビア・クロアチア諸語 ブルガリア語基本的な原料スモモ šljivovica(シュリヴォヴィツァ) сливова(スリヴォヴァ)сливовица(スリヴォヴィツァ) ブドウ lozovača(ロゾヴァチャ)loza(ロザ) гроздова(グロズドヴァ)гроздовица(グロズドヴィツァ)мускатова(ムスカトヴァ)mrtina(ムルティナ、没薬入り)анасонлийка(アナソンリイカ、アニス入り) ブドウの搾りかす(kom) komovica(コモヴィツァ)komova(コモヴァ) джиброва(ジドロヴァ)джибровица(ジドロヴィツァ)шльокавица(シリョカヴィツァ) アンズ rakija od breskve(ラキヤ・オド・ブレスクヴェ)kajsijevača(カイシイェヴァチャ) кайсиева(カイシエヴァ) ナシ属 kruškovača(クルシュコヴァチャ)vilijamovka(ヴィリイァモヴカ) крушова(クルショヴァ) リンゴ jabukovača(ヤブコヴァチャ) ябълкова(ヤブルコヴァ) クワ dudova(ドゥドヴァ)dudovača(ドゥドヴァチャ)dudara(ドゥダラ) черничева(チェルニチェヴァ) マルメロ dunjevača(ドゥニェヴァチャ) дюлева(ドュレヴァ) イチジク属 smokvovača(スモクヴォヴァチャ) смокинова(スモキノヴァ) サクランボ - черешова(チェレショヴァ) ミックス - плодова(プロドヴァ) 添加物バラ入り - гюлова(ギュロヴァ) ハーブ入り travarica(トラヴァリツァ)trava(トラヴァ) билкова(ビルコヴァ) クルミ入り orahovača(オラホヴァチャ)orahovica(オラホヴィツァ) орехче(オレフチェ) 蜂蜜入り medovača(メドヴァチャ)medica(メディツァ、イストリア半島で一般的)medovača(メドヴァチャ)medenica(メデニツァ) медна(メドナ) スミミザクラ入り višnjevac(ヴィシュニェヴァツ)višnjevača(ヴィシュニェヴァチャ) - ^ Kom あるいは džibra とは、ワイン生産の副産物として作られるブドウの搾りかすである。100キログラムにつき5.5リットルのアルコールが得られ、乾燥質量の40%以上に相当する。 ^ ハチミツのみから作られる蜂蜜酒とは異なる。 通常、ハーブやその他の添加物が加えられていないラキヤは無色である。ラキヤは、種類によってはオークやクワで作られた樽の中で保管され、芳香と黄金色を帯びる。 ラキヤは、0.3デシリットルないし0.5デシリットルほどの容量を持った専用の器に入れて飲む。 ボトルをよく振ったときに現れる泡の大きさによって、アルコールの強さを知ることができるというのは良く知られた伝承である。また、この方法は酒の良し悪しを知る方法としても誤って信じられている。 ブルガリアおよびマケドニア共和国では、ラキヤは一般に、ショプスカ・サラダ(生野菜とシレネのサラダ)、サラタ・スネジャンカ(ザジキに似たサラダ)、トゥルシヤ(野菜のピクルス)などの前菜(メゼ)とともに供される。ムスカトヴァ・ラキヤはマスカットから作られる一方、ジボロヴァ・ラキヤはイタリアのグラッパと同様にして作られる。 クロアチアでは、トラヴァリツァ(ハーブのラキヤ)は通常、食事の前に、乾燥イチジクとともに供される。クロアチアのアドリア海岸地方では、多様なハーブで味付けされたグラッパが知られ、中には特定の島でしか見られないものもある。フヴァル島は没薬を添加したグラッパで知られている。コルチュラ島などの南部の島々やドゥブロヴニクでは、アニスを添加したラキヤが有名である。また、ダルマチア中部でもっともよく見られるものはナッツを入れたラキヤである。それらのラキヤの多くは自家製であり、固いクッキーや乾燥イチジクとともに供される。夏季になると、家々のバルコニーで巨大なかめにナッツを入れたグラッパが並ぶ光景が見られる。アドリア海沿岸北部、主にイストリア半島では、ラキヤにはハチミツやヤドリギが用いられる。ヤドリギを用いて作られたビスカ(biska)は、イストリアの典型的なラキヤであり、黄色みを帯びて甘い。 それ以外のラキヤの味わい方としては、「火を通した」ラキアというものがあり、クロアチア語でクハナ(kuhana)ラキヤ、セルビア語でクヴァナ(kuvana)あるいはグレヤナ(grejana)ラキヤと呼ぶ。セルビアでは、シュマディヤ(Šumadija)茶とも呼ばれる。これはラキヤを加熱してハチミツや砂糖、香辛料を加えたものである。屋外で催される祭りでは、特に冬季に大きな薬缶で温めたものが来訪者たちに振舞われる。これは、ドイツのグリューワインなどに良く似ている。
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