ライン・ウント・ラーン鉄道会社および国有化
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「ナッサウ・ライン鉄道」の記事における「ライン・ウント・ラーン鉄道会社および国有化」の解説
詳細は「ナッサウ邦有鉄道」を参照 タウヌス線が1840年開通された後で、ケルン起業家の主導でライン川右岸の鉄道建設計画が1844年から1846年まで模索された。1852年ヴィースバーデン鉄道会社が設立されて、後にナッサウ・ライン・ウント・ラーン鉄道会社(Nassauische Rhein- und Lahn Eisenbahn-Gesellschaft)と改称された。1853年6月23日に鉄道会社は敷設許可をナッサウ公国から獲得した。この路線がプロイセンの鉄道網と連結される場合、確かに経済的な利益が保証されるのみであった。しかしケルン地域の貿易商および商人達と違って、プロイセンは鉄道プロジェクトに関心を持っていなかった。その理由はこの路線がライン川左岸のライン鉄道(Rheinische Eisenbahngesellschaft)の路線と競争路線となる恐れであった。それゆえ1852年と1853年に、敷設免許に関する申し込みは却下された。 ヴィースバーデン - リューデスハイム区間は1854年2月17日に着工され、1856年8月11日に開通された。監督者は当時にイギリスのチャールズ・ビニョールス(Charles Vignoles, 1793–1875)であった。ヴィースバーデンの終点は当初、ビーブリヒ=モースバッハ駅(現在ヴィースバーデン・ビーブリヒ駅)で、1857年2月11日にこの路線はヴィースバーデン・ライン駅まで延長された。 ナッサウ・ライン・ウント・ラーン鉄道会社は当初、この路線をリューデスハイムから延長することにほとんど関心を示さなかったが、建設許可を確保した。プロイセンが戦略的、軍事的理由からドイツ - ギーセン線の建設を考慮した際には、ナッサウ領土の横断が不可避であった。それ故にナッサウ公国はライン右岸の鉄道線を北の鉄道網と連結する大義名分を獲得できた。1855年頃以来ナッサウ・ライン・ウント・ラーン鉄道会社は財政難に陥った。1858年10月14日にナッサウ公国政府は建設免許を無効化して、ナッサウ国有鉄道を設立した。国家による鉄道建設は1858年11月3日の法律に基づいていた。1861年5月2日あるいは6月13日に、公国政府は既存のヴィースバーデン - リューデスハイム区間を引き受けた。1860年に両国間に「裏の取引」が行われ、プロイセンはこの路線を北部のプロイセン鉄道網に接続し、ナッサウは自国領土のケルン - ギーセン鉄道建設を許可するのを認定した。プロイセンはライン鉄道の反対を抑えて、ライン川上にファッフェンドルフ鉄道橋を建設させた。 1862年2月22日にナッサウ邦有鉄道線はリューデスハイム - オーバーラーンシュタイン間を開通して、1864年6月3日にこの区間をニーダーラーンシュタイン経由でコブレンツ駅まで延長した。この路線は基本的に鉄道技術者のモリッツ・ヒルフ(Moritz Hilf, 1819~1894)によって設計された。ナッサウの建築家と建設官僚ハインリッヒ・フェルデ(Heinrich Velde, 1827~1905)はリューデスハイム駅など、駅舎設計・建設、トンネル建設を担当した。 1864年6月3日にホルヒハイム鉄道橋が開通されるまで、1862年下半期より2年間、鉄道連絡船がオーバーラーンシュタイン駅からライン川左岸のケーニッヒスバッハ駅まで運営された。この船は主にラーン渓谷から鉱石を輸送し、ルール地方の石炭を産業団地に供給する役割りを果たした。ライン=ナーエ鉄道会社(Rhein-Nahe Eisenbahn-Gesellschaft)の路線は、1861年11月以来鉄道連絡船でリューデスハイムとビンゲンの間に接続された。その結果、ライン=マイン地方とザール地方の間で商品が交換され、とりわけザール石炭の新しい販売区域が生成された。1900年以来プロイセン国有鉄道によって旅客フェリーのみが運航されて、その後ドイツ国営鉄道により1932年まで運営された。 1866年普墺戦争でナッサウ公国が独立国家としてプロイセンに合併されたことで、プロイセンとナッサウの長期間の鉄道紛争はついに終結した。 1906年11月15日にヴィースバーデン・ライン駅はヴィースバーデン新駅舎の開業で移転された。1915年9月1日ヒンデンブルク鉄道橋が完工された。
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