マヨン山とは? わかりやすく解説

マヨン山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/04 00:35 UTC 版)

マヨン
Mayon
2009年空撮
標高 2463 m
所在地 フィリピン
ビコル地方アルバイ州
位置 北緯13度15分24秒 東経123度41分06秒 / 北緯13.25667度 東経123.68500度 / 13.25667; 123.68500座標: 北緯13度15分24秒 東経123度41分06秒 / 北緯13.25667度 東経123.68500度 / 13.25667; 123.68500
種類 成層火山
マヨン山 (フィリピン)
プロジェクト 山
テンプレートを表示

マヨン山(マヨンさん、英語: Mayon Volcano)は、フィリピン共和国ルソン島南部、ビコル地方アルバイ州に位置する火山である。一帯はマヨン山国立公園英語版に指定されている。

概要

環太平洋造山帯に存在する火山の1つである。山名の「マヨン」は、ビコル地方の言葉で「美しい」という意味を持つ「マガヨン」[注釈 1]に由来すると言われており、非常に整った円錐形の成層火山である。これは山頂からの噴火が多く、山腹からの噴火が少ないためである。この形状のため、かつて日系人移民は「ルソン富士」と呼んでいた。

ただ、過去に何度も噴火によって死傷者を出してきたため、ハザードマップが作成され、火砕流などの恐れが想定される場所は土地の利用規制が行われている。しかし、現地は貧しく、危険地帯として指定された場所ですら、耕作せざるを得ない状況が存在する。

山体はレガスピ市などの複数の基礎自治体に跨る。このレガスピ市と千葉県銚子市は姉妹都市であり、銚子市の犬吠埼近くに立つ「日比友愛の碑」はマヨン山の方向に向けて建てられている。

活動史

マヨン山はヒトが記録を残し始めた以前から活動を続けてきた火山である。なお、17世紀から21世紀初頭までの400年に、50回の噴火が観測された。記録に残る最も破壊的な噴火は、1814年2月1日に起こった。マヨン山から10 kmのカグサワと言う街を、火山噴出物が埋めて1200人以上の死者を出した。当時の街が有った場所に、21世紀初頭においては教会の鐘楼しか残っていない。

  • 1984年9月の噴火では、最初に小規模な噴火が起き、それから数週間後に大噴火が起きた。最初に起きた小規模な噴火の際に、付近の住民は避難していたものの、小規模な噴火が落ち着いた後に帰宅を望んだ。しかし、フィリピン火山地震研究所 (PHIVOLCS) のレイモンド・ブノンパヤンと、アメリカ地質調査所 (USGS) のクリス・ニューホールと言う2人の火山学者が、まだ噴火は終わっていない可能性が有るとして避難解除を認めなかった[注釈 2]。このため、その後に大規模な噴火が発生したものの、犠牲者は出なかった。
  • 1993年には突然の大噴火で火砕流が発生し、70余名の犠牲者を出した[1]
  • 2000年、および2006年8月にも噴火を起こした。2006年の噴火では、11月の台風21号とあいまってラハールと呼ばれる現象が発生し、死者620名、行方不明710名、倒壊家屋約9000戸という被害を出した[2]
  • 2009年にも噴火し、12月14日には住民への避難勧告が出された[3]
  • 2013年5月7日に起きた噴火では、マヨン山を登っていた観光客ら計20人のうち、5人(観光客4人、ガイド1人)が落ちてきた岩に当たり、死亡した[4][5]
  • 2014年9月15日に、警戒レベルを上から3番目に引き上げ、1万人に避難指示が出された。9月17日に溶岩が流れ出し、5万人に避難勧告が出た。

脚注

注釈

  1. ^ タガログ語の maganda とセブアノ語の maayo の中間にあるとも言える。
  2. ^ レイモンド・ブノンパヤンとクリス・ニューホールは、1991年ピナトゥボ山の噴火でも協力した。

出典

  1. ^ 出典 : フィリピン・マヨン火山の噴火と災害の調査研究 - KAKEN: 科学研究費助成事業データベース
  2. ^ フィリピン・マヨン火山火山泥流災害調査 (PDF) - 砂防・地すべり技術センター
  3. ^ “フィリピンのマヨン火山が活発化、1週間以内にも爆発か”. ロイター. (2009年12月15日). http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-12944520091215 2011年2月15日閲覧。 
  4. ^ “比ルソン島のマヨン火山噴火 外国人観光客ら5人死亡”. 47NEWS (共同通信社). (2013年5月7日). https://web.archive.org/web/20130604203214/http://www.47news.jp/CN/201305/CN2013050701001055.html 2013年5月7日閲覧。 
  5. ^ “フィリピンのマヨン山が噴火、登山客ら5人死亡か”. AFPBB News. (2013年5月7日). https://www.afpbb.com/articles/-/2942722?pid=10704822 2013年5月7日閲覧。 

参考文献

関連項目

外部リンク




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マヨン山」の関連用語

マヨン山のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マヨン山のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマヨン山 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS