タール湖とは? わかりやすく解説

タール湖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/19 02:27 UTC 版)

タール湖
Taal Lake


上が北西

タール湖 (フィリピン)
タール湖 (ルソン島)
所在地 フィリピン バタンガス州
面積 234.2[1] km2
周囲長 82.5[1] km
最大水深 172[1] m
平均水深 100[1] m
水面の標高 2.0[1] m
成因 カルデラ湖[1]
淡水・汽水 淡水
プロジェクト 地形
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タール湖(タールこ[2]Taal Lake)とは、フィリピンルソン島にあるタール火山カルデラ湖。周囲82.5キロメートル、面積234.2平方キロメートル。首都マニラの中心街よりに約60キロメートルほどの位置にある。

北岸の外輪山の外縁、標高600メートル程度に避暑地として知られるタガイタイがある。

概要

北から見たタール湖と火山島(2010年)

<!— カルデラの形成時期については諸説あるようで、長尾年恭の関係する2つの論文(2008と2015)でも大きく異なっているのであえて省いた —> タール火山は活動的な火山である[3]。20キロメートル×25キロメートルのカルデラ内に、カルデラ湖のタール湖があり[3]、湖の中央に中央火口丘である直径5 - 8キロメートルほどの火山島 (Volcano Island) が形成されている[4][3]。高さは湖面から300メートルほどである。

この火山島の中心には直径約2キロメートルの火口が形成されている[4]。同島には47個の火口・火山丘が存在し、うち26個はタフコーン、5個はスコリア丘、4個はマールである[4]

歴史時代の噴火はスペイン植民地時代の初期、1572年から1977年の間に33回が記録されている[4][3]。1911年1月30日には大爆発が起こり、爆風によって火山島の住民のほとんどとなる1334人が死亡した[3]

1965年には火山島の西岸で発生したマグマ水蒸気噴火が起こり[3]ベース・サージ現象が世界で初めて記録され[3]、200人が死亡した[5][4]1977年の噴火では水蒸気爆発が発生している[4]。2010年4月19日には火山島で有感地震が発生、7月に警戒レベルが1から2に引き上げられ全島民が避難した[3]2020年1月には43年ぶりとなる噴火を起こしている[6]

同島は国立公園で、本来居住は禁じられている[3]

2025年、次々と失踪した闘鶏家が湖に沈められていることが判明。捜索が始められた[7]

アクセス

マニラよりタクシーで約2時間。タガイタイより外輪山を下りた湖岸でボートをチャーターして約30分で火山島に渡ることができる。また島の山頂までは徒歩または馬を借りて約30分かけて登る。

画像

脚注・出典

  1. ^ a b c d e f LAKE TAAL - 国際湖沼環境委員会、2017年5月閲覧
  2. ^ タガログ語の発音で母音が続く場合は長音にならず二番目の母音は改めて発音するためタアルが原語の発音に近い
  3. ^ a b c d e f g h i タール火山研究の新展開 (PDF) (2015年) - 笹井洋一・長尾年恭
  4. ^ a b c d e f フィリピン・タール火山における電磁気学的手法による火山監視 (PDF) (2008年) - 原田誠 ・笹井洋一ら
  5. ^ Moor et al., 1966
  6. ^ マニラ近郊のタール火山噴火 住民に避難指示、空の便にも影響”. CNN (2019年1月13日). 2019年1月13日閲覧。
  7. ^ 日本に技術協力要請へ 34人失踪事件の捜査に向け”. じゃかるた新聞 (2025年7月1日). 2025年7月19日閲覧。

関連項目

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